March 2009アーカイブ
毎日を、本当に一生懸命に生きてるかどうか?
まなびストレートは良作だと思う。
みかんはまなみと出会うことで成長する。
それまでは凄く内気な性格で、周りに引っ張ってもらっていたけど、
最後には自分で決心をして、行動をする。
行動することで何かが変わると信じて
後悔しないように自分を信じて一生懸命に生きる
自分が上京する前の気持ちとすこし似てたわ。
その頃の自分に、今を、一生懸命に生きてる?と聞かれた気分。
あの頃よりは行動的になれた気もするけれど、まだまだ
「全力で今を生きてるよ!」
と胸を張って言うことはできない。
だから、だからこそ心の片隅にまなみみたいなキャラがいて、
「まっすぐGO!」
なんだと思う。ときどき不安にもなるけど、自分を信じろ!と。
それで行動したら周りも絶対に協力してくれるから。仲間になれるから。
単純な萌え百合アニメかと思って油断してたわ。
もうある意味でバイブルに近い、ボックスで揃えたい勢いだわ…。
体調不良を訴えて会社を早退した。
そのときの会社の女の子との会話。
「体調悪いから早めにあがるけど…」
「うん。」
「何か問題あったら明日やるから、そのときは言って?」
「うん、あのね…」
ゴソゴソと机を探し始めて、「あ」と声を漏らす彼女。
下からこちらに顔だけを向けて言う。
「ねえ、香水付けてる?」
最近ずっと付けてるけど…、と思いながら答える。
「うん、ちょっとね…」
「そう…。」
数秒の間。
なんか仮病使ってデートしに行く人みたいじゃね?
疑われてね?と思った。いやいや、マジで体調不良だから。
家に着いた頃、タイミングよく上司から仕事のことで電話がきた。
それに普通に受け答えをするんだけど…。
さらに数十分後、今度は会社の女の子から電話がきた。
話を聞くと、大して急用でもない仕事のことだった。
それも普段なら絶対に聞いてこないようなことなのに…!
「分かんないことあったら、また後で電話するね」
そんなことを言われた。
何これ。完全に疑われてね?
完全にアウェー状態。
まあ良いけど…。近々辞めるし。
沼に嵌った人を助けるには、泥の中に浸かって汚れなきゃいけない
そう感じてた頃、彼女に手を差し伸べたけど届かなかった。
彼女に差し出した手を「必要ない」と首を振られた。
入社して数ヶ月経つ頃、彼女に話したことがある。
自分自身でも言うことを躊躇っていたけれど、正直に話した。
「言いたいことがあるんだけど…」
「うん?何?」
「うーん、言って良いのかな…?」
「何?気になるから絶対言って。」
「うん、じゃあ…」
そう言ってメモ帳を取り出して彼女に言う。
「今の会社の状況ってさ…、これに近くない?」
そう言って紙に書く。
イジメ
彼女の立場をそう感じていた。
けれど、彼女はそれを全力で否定した。いや、笑って誤魔化したのかな。
とにかく必死で隠して、見せないようにしていた。
それから数週間で新しい上司が来た。
すると彼女は上司に対してそのことを相談していた。
そして、前日彼女の口から出た言葉…。
「わたしがハブられてるって知ってますか!?」
彼女は上司のことを「鈍感な人」と非難している。
けれどこの件で上司と口論した後でも、彼がフォローする言葉を信じて
「自分の勘違いなんだ」と無理やり自分に言い聞かせて納得していた。
だから、手を伸ばしたって届かなかった。
立場に気付いて声を掛けても、知らないフリをされた。
もうそんな自分にうんざりだ。
社会に出てみると思った以上に戦う機会って多いんだなと感じる。
大きな組織、勝てない相手、圧倒的に不利な状況…。
そんなときに大事なのは諦めてしまうことじゃなくて、
行動を起こしたり、自分の意見を述べて戦わないといけない。
その一方で懸命に努力することを放棄したり、
カッコ悪いと馬鹿にしてみたり、嘲笑うような人たちがいる。
それが大人の対応だと言い訳ばかりをする人。
とても大きくて、変えようと思っても簡単に変わらないもの。
それを変えようと懸命に向かっていく人がいる。
そんなとき、その懸命な姿を指差して笑うような大人にはなりたくないよね。
「うん、戻って来るまで鍵閉めとくね」
「わかった」
「ちゃんと携帯持った?」
「…うん」
朝方、会社の女の子にメールを打って遅めの休日出勤した日。
会社に着くと彼女が笑顔で待っていた。
「今日、あの人は?」
そう上司の名前を告げると、彼女は首を横に振った。
「何か予定あるんだって。だから今日は来ないよ?」
思いがけず会社で2人きりになる。
そんな状況下だからか普段以上によく喋る彼女。
これはこれで、何だか同棲疑似体験って感じ…。
「ちょっとコンビニ行ってくるけれど、何か買ってこようか?」
そんなことを聞くと、彼女は辺りを見回すようにして言う。
「うーんとね…。今はないから大丈夫。」
そう答えた。出掛けようと玄関まで行くと彼女がついてきて、
念のため鍵をかけるからと告げられた。
コンビニから戻ると彼女は「おかえり」なんて優しく出迎えてくれた。
そんなふうにして2人きりで夕方まで仕事をした。
「あのさ、一杯くらい飲んでいかね?」
彼女はわざと男っぽい口調でそう聞いてきた。
それから近くのコンビニで彼女に缶ビールを買ってもらい
眺めの良い場所に移動して、そこで乾杯した。
彼女は美味しそうに缶ビールを飲みはじめ、
自分はいつまでも慣れない味に戸惑うようにそれを飲んだ。
だから彼女に
「あんまり、美味しそうに飲まないね」
なんて微笑みながら言われた。
そして他愛無い雑談、彼女の明日の予定なんかを話した。
そのまま帰りの電車に乗り、彼女は出口付近の手すりに体を預けた姿勢で。
自分はそれと向き合うようにして彼女の前に立って話した。
普段よりもよく目を見るようにして。
彼女と付き合ったらこんな感じなんだろうなぁ
そんなことを考えながら一生懸命に話す彼女を見る。
けれどそれは、前に見た『好きな相手を見る目付き』とは違って見えた。
このまま何ヵ月後かに、「会社辞めるね」と彼女に告げる自分。
それだけが彼女と話しながら想像していた場面だった。
「あのさ、今のうちに言っておきたいことがあるんだけど…」
そんなセリフをいつでも言えるように準備しながら、
またしまい込んで、結局それを言えるタイミングもなかった。
だから、きっと、このまま…。
会社の女の子が休憩から戻ってくると、目の前に来て座り込んだ。
珍しいことなので疑問を頭に浮かべ何も言わず彼女の顔を覗き込む。
曇ったような表情をしたまま彼女が言う。
「あのね、お願いがあるんだけどね…」
周りに聞こえないような小声で彼女は続ける。
「明日なんだけど、予定なんかあったりする?」
「うん?どうして?」
変な勘違いする前にすばやく防衛ラインを作る。
「えっとね…。」
「うん」
「今わたしがやってる仕事あるじゃない、それでね…」
明日手伝いのために休日出勤してくれないか。
そんな内容の話しだった。
なるべく嫌な顔を見せないようにOKの返事をするんだけど…。
でも、よく考えたら酷くね?みたいな。
二人の会話を上司が側で聞いていて、
話し終わったタイミングで上司が彼女に言う。
「大丈夫だった?」
その一言で上手く利用された気持ちになった。
普段から彼女は上司にベッタリとくっついているし、
こんなときだけ媚びても絶対手伝ってあげないんだから!
そんな気持ちでツンツンしているけど、それとは裏腹に。
「全然良いよ、どうせ暇だから」
なんて答えてる自分。
そんなホワイトデー。
いや、別にチョコ貰ってないけど。
そろそろ死ぬか。
「3月3日…」
会社の女の子の横を通ったときに、そう呟くように言った。
足を止めると、それを待っていたかのように
「だよね?」
と、半分だけ振り向いて横目で見ながら言った。
「うん…」
「ね、最初さ、一年もいるって思ってた?」
「いや、全然」
そう答えながら、彼女に転職活動のことを
知られたんじゃないかと内心考えていた。
素直に伝えるべきなのかどうか…。
「一年か、早かったよね?」
そんな当たり障りのないことを聞く。
それに対して彼女は答えた。
「うん、すごく」
「けれど色んなことあったね」
「なんかさ、一日は長いけれど、あっという間だったね」
大変だった日々の彼女の姿を思い出していた。
どんな優しい言葉をかけたら良いのか分からず
無言で見つめあったまま、ウンウンと頷き合う。
彼女はタイミングをはかるようにしてから言う。
「…だからね…」
そう迷いを見せて間を作る彼女。
それから決心がついたように勢いをつけて言う。
「今度やろう!一年目の記念の!」
省略された言葉が何を伝えたいのか
もう聞き取れるような間柄だった。
「一年目の記念の(飲み会)。」
2度目の上京、今でこそ自信を喪失しているけれど
よくよく思い出して見ると1度目の上京だって色々あった。
どうやらセーブデータを読み込むときに
あまりに時間経過するとレベルが下がっているらしい。
例えば上京してバイトしていた時だって、
ギラつく同性を見て自己中心的に生きなきゃダメだと思ったし、
実際にその頃は服屋の女性店員と親しくなろうと会話の練習をした。
バイト先の女の子とだって会話してある程度仲良くなれた。
バイトをやめた後だって積極性を発揮して就職活動をしていたし、
採用された場所では生きてきた中で最も女の子と仲良くなれた。
彼女と一緒に実家への手土産を買ったり、
2度目の上京時に喫茶店に誘って近況を話しあったりした。
そのときの彼女は既に結婚していて、妊娠もしていたけれど…。
他にもスーツショップの店員や、飲食店で働いてる女の子に声を掛けたりもした。
そんな過去があって今の会社の女の子とデートだって出来たんだと思う。
そこが最高潮で、そこから日々自信をなくして大人しい生き物に戻ってしまった。
恥をかくことを恐れて、行動ができなくなってしまった。
そんなことを思い出すキッカケになったことが
まなびストレート!の第1話
冷静に傍観して見ている生徒と、それとは逆に積極的に行動し、
何かを変えようと自己主張をして生きている女の子の構図。
それは相手にとって迷惑じゃないか…、なんて加害不安に悩むことなんてなくて、
自己中心的と言われようと自分の欲求に素直になるほうがカッコよく見えるようだ。
きっとS・A~スペシャル・エー~のヒカリみたいに
自己主張の強い主人公が活躍するアニメって普段自分が隠していて、
表に出すことの出来ない行動を代わりに実行してくれるから、
それを見ることがストレスの解消につながっているんだと思う。
そこで見て満足して終わる人間と、そこで自分も行動する人間になるか。
たぶん、自分は後者の人間だろうと思った。
悟ったかのように達観して恥をかくことを恐れて行動せずにあきらめてしまう
そんな物語なんて面白くもなんともない。
飲み会の席でのこと。
「ご飯が食べたくなるなー」
なんてつい口走ると、隣の席に座っていた会社の女の子が言う。
「じゃあ、頼もう!すいませーん、ご飯2つもらえます?」
2つ…?と彼女のほうに目を向けると、それに答えるようにして
「あ、わたしもご飯食べたくなって…」
と、少し照れたような表情を見せた。
注文したご飯がきて食べていると、彼女は同意を求めるようにして言う。
「おいしいねー!」
食べてる途中だったので、頷くだけの返事をする。
さらに彼女はこちらの表情を下から覗き込むようにして、笑顔で言う。
「ねー!」
そんな、お姉さんみたいな態度をとる彼女。
お姉さんキャラ好きなんだから、マジでやめろ!
変にドキドキして、「うん…」とだけ答えて言葉に詰まる。
それでも彼女は幸せそうにご飯を食べていた。
それが木曜日のこと。
金曜日に寝坊して起きると、メールが届いていた。
彼女がきっと前日の帰りの電車で書いた文章なんだろう。
『おつかれさまでした』
そんなありふれたタイトルだった。
内容を簡単に解読すると、
わたしの気持ちを察してくれてありがとう
そういう気持ちを凄く遠回りにお酒の勢いで書きました、
そんな内容だった。それに返信をしてそれきり。
その日に何かを教えてもらっているとき、彼女は距離を詰めてきた。
思いのほか顔を近付けてくるから、軽く女性に対する恐怖心がよみがえって
ほとんど無意識に、癖みたいに一歩だけ後ずさる。
だからいつも女の子と一定の距離を保ったまま、平行線で終わる。
「今って暇ですか?」
普段はあまり頼みごとをしてこない会社の女の子が、
今日に限って珍しく声を掛けてきたので、彼女の手伝いをした。
一通り終えると「ありがとう」とわざとらしい関西訛りでお礼を言われた。
どこか気恥ずかしいのを誤魔化すみたいにして。
それから数分して席の後ろに気配を感じた。
振り返るとコンビニで買ってきたアイスとフォークを持って彼女が立っていた。
首を傾げて見せると、
「はい、お礼。」
別にあんたのために買ったんじゃないわよ、と続きそうなツンデレみたいに。
アイスの欠片をフォークに突き刺して目の前に差し出された。
それをそのまま、あーんと口を大きく広げて受け取るべきなのか、
それとも紳士的にフォークを持つほうが正しいのか悩んだ。
距離的には口でそのまま行けると判断したけれど、
気付いたときにはフォークを手に持っていた。
何だか相当深刻な病気みたいだ。そろそろ死ぬか。
そのまま夜まで残業して、上司を含めた3人で飲みに行った。
それは前回のような意見の衝突にならず、彼女は最後まで笑顔を見せた。
このところ何かと騒がしい事件が起こるようになった。
今朝、会議の中で会社の女の子は
自分が悪者になって周りに嫌みを言わなきゃいけない立場なこと
を強く主張した。それを上司は悪く言うものだから
彼女も感極まって、涙ながらに訴えた。
「わたしがハブられてるって知ってますか!?」
それに対して上司が言う。
「そういう立場になりたいなら、別に止めないよ」
「…、誰もハブられたいって思ってるわけないじゃないですか!」
そこに社長が空気を読まずに来て、打ち合わせが始まる。
隣に座る彼女にこそっと「席を変わろうか?」と伝えて入れ代わり、
自分が泣いてる彼女を隠すようにして、社長との間に入った。
気まずい空気を残したまま打ち合わせが終わる。
いつものことだけれど、喧嘩の後の上司と彼女は一緒に休憩に行って話し合う。
その後で彼女がしてる仕事に上司が割り込んでいき仲良くなるの繰り返し。
仲良くなると彼女は上司に媚びるように、特に甘えるようにする。
そんな無限ループ。
それがお互いの利益になるからだったんだと今になって気付いた。
今日は喧嘩も涙もいろいろあって仕事に集中できなそうだから
「早めに仕事切り上げようか?」
と、彼女に声を掛けた。
すると「もう帰りたい」と、彼女も冗談めいた返事をした。
それから無限ループで彼女と上司は仲直りをしたようだった。
切り上げると伝えた時刻になると、不安気に上司と話す自分を見る彼女。
それから「お疲れさまでした」と挨拶をされた。その後で上司が言ってくる。
「今日はもうあがるよね?僕もあがるけど…」
あー、はいお疲れさまでした。なんて適当に答えてから思い浮かぶ。
彼女の不安気な目は自分じゃなく、上司を見ていたんじゃないかと…。
これは、彼女と上司で飲みに行くパターンだと!
そこで流れてくるエンディング曲、スタッフロールが流れて…。
よし、死ぬか。
気を遣って席代わってみたり、プリンあげたり、早めに切り上げること言ったり…。
ほんとうに“お姫様”に尽くしたって報われないようだ。
『いつでも自分は、恋愛映画の脇役みたいだ』と思った。
主役にヒロインを奪われるようなね。
いや、そもそも手に入れちゃいないから、通行人Aくらいなのかな。
今日は、この会社に来て1年目なのだけれど、
やっぱり自分の居場所ではないということを再認識した。
小さいけれど目標もできたし、今から行動を起こして現実を変えよう。
何もお姫様は彼女だけじゃないし、
行動を起こすことだって今の自分にしか出来ないことだ。
近いうちに「辞める」と伝えたら彼女はどんな表情をするだろう。
そんなことを少しだけ考えている。