May 2006アーカイブ




「怒ってる?」


「ん?」


「なんか…怒ってない?」


「いや、そんなことないけど…」



彼女が旅行から戻ってきていて積極的にコンタクトされていたのだけど、あまりに反応が素っ気なかったから心配される。逆に「怒ってない?」と聞かれたことに対して怒るなんて雰囲気に…なんてことはないけど。久しぶりに会ったのだけど、先週からの土曜出勤~月曜までの常軌を逸した仕事、さらに月曜で終わった途端に安心する間もなく第二幕という、怒涛のオーバーワーク。そんな状況で素っ気なさすぎたのかな…。



久しぶりに彼女にがんばれよと背中を叩かれた力は、いつもより力加減がされてなかった。



それにしても彼女が居ないときに別会社の人が、「タバコをやめたことや体調悪くしたことから推測して、できちゃった婚ではないか?」という説を繰り広げていた。全て知っている立場上、「さすがにそこまでプライベートなことは…」と言葉を濁す。




引き続き祝ってばかりで、自分のことは相変わらず…。



仲良しの女の子の結婚式に参加してみて、少しだけ悲しくなってしまう。誓いの儀をおこなって、誓いのキス。そして、あの定番の音楽でフラワーシャワーを浴びながら退場していく2人。そこに選ばれなかった自分。虚しさ…。でも、挙式が進んで余興とか周りの人たちを見てると、幸せを祝うこと、祝う席に呼ばれたこと、彼女が少しでも幸せになれればいいなという感情に近づいた。きっと、自分にはもっと気の合う人と巡りあえるんだし。



彼女のダメな部分も知ってしまったし、きっとそれが自分の恋人のことなら凄く責めてしまう。恋愛が未熟だから2人の関係はよく分からないけど、ちょっとしたキッカケでそのことを知ってショックを受けたし、そんな彼氏で良いのか疑問でもある。でも、結婚は彼女の判断だしどうこう言える立場じゃない。彼女がこの人となら幸せになれると思ったに違いはないんだから…。



新郎新婦の出会い、いちばん興味深い部分なのだけど1年前にさかのぼる。2人に共通の友人がいて、大学時代にも知ってたのだけど、それから何年かのちにイベントに参加して再び出会ったこと。そこから交際がスタートしていて…、もしかしたら自分のが彼女にはやくアピールしていれば。入社当時は全然親しくなかったけど…。そんな交際が始まって、半年くらいで彼女が引っ越す話を聞いたので、ここで2人で同棲を始めつつ、1月にはもう結婚の相談をしていたらしい。そう、意外に早いことが不安要素ではあるんだけど。そうやって他人の人生を好き勝手に想像してみると、すごく楽しい。彼女に幸せになってくれることを願うよ。心から。



その彼氏…、もとい新郎はインディーズ映画の監督らしくて、彼女は脚本とか好きだから趣味も共通してるし、映画撮りたいという彼女の夢を叶えてくれる人なわけ。「宇多田ひかるの旦那さんがタイプ」という彼女の発言もシンクロしてくる。印象では、さほどカッコよく見えないけど誠実そうではある感じで、自分が彼女と居る想像をよくしているせいなのか、2人並んだ感じに多少違和感を感じた。2人の緊張のせいで普段の様子までは分からないけど。



以前に彼女に言われたセリフ。



「キミは恋人ってより、弟ってタイプだよね」



うん。新郎は彼女の2歳上だった。さすがにドライブでデート行くような彼氏には、まだまだ上京したばかりの都内の地形すら把握できてない自分とは比べ物になりません。そうか、ドライブ…。車がないとモテないのか…。



式も無事終えて、特に二次会をやるなんて話も聞かないし会社の人らで喫茶店に立ち寄る。そこから怒涛の何時間かを語り尽くして、客観的な印象を聞けた。



「上京して、地元に待たせてる彼女とか居ないの?」


「あ、特にいないです。」


「そうなんだ、年上の女にストーカーみたいに追われて逃げてきた印象がある。」



いやいや、そんなことは…と言いだす前にもう1人が。



「わたしは逆に、彼女を追って上京したって印象かな…」


「いや、別にそういうわけでも…ぜんぜん…。」


「なんか、あんまりそういうこと興味ない?」


「うーん…というか、他人に興味がない?」


「自分大好きなんだね」


「それとも違うんですけど…」


「わたしはもう同棲とかしてるのかとか勝手に想像してたよ」


「なんかドラマチックな想像が好きなんですね…」


「そう?」



わりとミステリアスなキャラクターらしい。実際そうだけど。



「中島美嘉とか好きなんだっけ?」


「あれ、どうしてそれ知ってるんですか?」


「え、前に聞いたよ。今はどういう子とか好きなの?」


「今は、柴咲コウさんとか…。」


「あー、ミステリアスな感じが好きなのね」


「ミステリ…う、うん…。」


「彼女とか居なくて、好きな女優さんとか芸能人いないなら、わたしはてっきりそっち系かと思ってたよ」


「ええ?そっち系?」


「そうそう。」


「そっち系じゃないですよ」



なんてもう腐女子全開の妄想もされていたらしく…。さほど、彼女居ても不思議な感じではない会話を。具体的に何人と付き合ったとか、付き合った子いるとは聞かれなかったのが救いなのか。それとも実は見抜かれていて気を遣われてるのか。まさか付き合った経験がない!なんてことは想像もしていない…。


付き合った経験は、限りなく1に近い0です!



挙式のときに社長に



「次はお前の番かな」



なんて言われて「予定はないです」と応えると、「じゃ今度は若い女の子たくさん雇うか?」なんてことを冗談で言ってたり…。まさか、今までに若い女の子と接したことが数えるくらいしかない!なんてことは想像もしていない…。



さすがに人生経験積んでいかないと。まず、まずは何から…スクランでも見ようか。




忙しすぎて彼女と話せずに後で電話すると、異様に冷たい。基本的に電話で冷たい人なのかな。いや、あれかな。やっぱりカレシがいr…。



けれど一度だけ凄く親身に電話してたときがあった。一時間くらいずっと話してたのに…。あー。しかも「寝てた」って言うから、「掛け直そうか?」と言ったのに。その時だけは、ずっと話してられると思ってたのに。その一度以外は冷たい。やっぱり迷惑なのかな…。



そういえば、わざわざ家電から掛け直してくる彼女。て、どう考えてもカレシが…。で、長電話になるとあれだから…。そろそろ氏ぬか。去年の末に新年にメール送る?という話になったとき、遠めに教えたくないようなことを言われた。メールなんかはやっぱりカレシが見る可能性が高まるから…。



今回も電話の件以外ですこしだけ話を膨らませようとしたのに、全然相手にされなかったよ。そういうの胸がすごく苦しくなる。電話しなければ良かったかな…。そしてまた開きかけた心の扉は、パタンと閉じる。



ていうか、そんな状況で結婚式とか行けるのかな…。精神的なダメージを相当受けるかも知れない。いっそのこと最初から呼ばれないほうが…。つまり、新郎側は女友達を呼ぶの禁止で、新婦側は男友達を呼ぶの禁止という暗黙のルールを制定して。ああ、友達じゃなくて同じ会社の同僚扱いだわ。ダメじゃん。



仕事のこと


ふざけてるくらいに連休前に重なって、何とか終えてきたものの。この調子で続いていくことを考えると、ふざけてるくらいキツイ。自分がやめたら制作レベルガタ落ち、作業もままならない状況に陥るハズ…。それだけの負担が全部集中してる。特に評価も受けないし、嬉しさに共感してくれる人もいない。優しくもされない。ほんっとくだらない。



仕事相手の信頼を得て、自分任せで仕事を出来てることは良いのだし、制作チーフにも認められて、契約の人にも何故か気にいられていて、一見上手くまわってはいるのだけど。自分としては、もうすこし時間的余裕が欲しいな。さすがに何件も重なると、それだけ1つの仕事に対するクオリティが低下してしまう。余裕が欲しいと言っても、朝は1人フレックスで遅刻してるけど。そんな怠けた勤務体制なのに、今月から2万円ほど給料が増えました。何故だ?



そう、わりと恵まれている環境だと思うけど、ただ仕事が出来ても面白くないよね。ただ仕事が出来るよりは、ただ恋愛が出来た方がきっと楽しいよ…。バカ。