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飲み会の席でのこと。
「ご飯が食べたくなるなー」
なんてつい口走ると、隣の席に座っていた会社の女の子が言う。
「じゃあ、頼もう!すいませーん、ご飯2つもらえます?」
2つ…?と彼女のほうに目を向けると、それに答えるようにして
「あ、わたしもご飯食べたくなって…」
と、少し照れたような表情を見せた。
注文したご飯がきて食べていると、彼女は同意を求めるようにして言う。
「おいしいねー!」
食べてる途中だったので、頷くだけの返事をする。
さらに彼女はこちらの表情を下から覗き込むようにして、笑顔で言う。
「ねー!」
そんな、お姉さんみたいな態度をとる彼女。
お姉さんキャラ好きなんだから、マジでやめろ!
変にドキドキして、「うん…」とだけ答えて言葉に詰まる。
それでも彼女は幸せそうにご飯を食べていた。
それが木曜日のこと。
金曜日に寝坊して起きると、メールが届いていた。
彼女がきっと前日の帰りの電車で書いた文章なんだろう。
『おつかれさまでした』
そんなありふれたタイトルだった。
内容を簡単に解読すると、
わたしの気持ちを察してくれてありがとう
そういう気持ちを凄く遠回りにお酒の勢いで書きました、
そんな内容だった。それに返信をしてそれきり。
その日に何かを教えてもらっているとき、彼女は距離を詰めてきた。
思いのほか顔を近付けてくるから、軽く女性に対する恐怖心がよみがえって
ほとんど無意識に、癖みたいに一歩だけ後ずさる。
だからいつも女の子と一定の距離を保ったまま、平行線で終わる。
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