仮病
体調不良を訴えて会社を早退した。
そのときの会社の女の子との会話。
「体調悪いから早めにあがるけど…」
「うん。」
「何か問題あったら明日やるから、そのときは言って?」
「うん、あのね…」
ゴソゴソと机を探し始めて、「あ」と声を漏らす彼女。
下からこちらに顔だけを向けて言う。
「ねえ、香水付けてる?」
最近ずっと付けてるけど…、と思いながら答える。
「うん、ちょっとね…」
「そう…。」
数秒の間。
なんか仮病使ってデートしに行く人みたいじゃね?
疑われてね?と思った。いやいや、マジで体調不良だから。
家に着いた頃、タイミングよく上司から仕事のことで電話がきた。
それに普通に受け答えをするんだけど…。
さらに数十分後、今度は会社の女の子から電話がきた。
話を聞くと、大して急用でもない仕事のことだった。
それも普段なら絶対に聞いてこないようなことなのに…!
「分かんないことあったら、また後で電話するね」
そんなことを言われた。
何これ。完全に疑われてね?
完全にアウェー状態。
まあ良いけど…。近々辞めるし。
沼に嵌った人を助けるには、泥の中に浸かって汚れなきゃいけない
そう感じてた頃、彼女に手を差し伸べたけど届かなかった。
彼女に差し出した手を「必要ない」と首を振られた。
入社して数ヶ月経つ頃、彼女に話したことがある。
自分自身でも言うことを躊躇っていたけれど、正直に話した。
「言いたいことがあるんだけど…」
「うん?何?」
「うーん、言って良いのかな…?」
「何?気になるから絶対言って。」
「うん、じゃあ…」
そう言ってメモ帳を取り出して彼女に言う。
「今の会社の状況ってさ…、これに近くない?」
そう言って紙に書く。
イジメ
彼女の立場をそう感じていた。
けれど、彼女はそれを全力で否定した。いや、笑って誤魔化したのかな。
とにかく必死で隠して、見せないようにしていた。
それから数週間で新しい上司が来た。
すると彼女は上司に対してそのことを相談していた。
そして、前日彼女の口から出た言葉…。
「わたしがハブられてるって知ってますか!?」
彼女は上司のことを「鈍感な人」と非難している。
けれどこの件で上司と口論した後でも、彼がフォローする言葉を信じて
「自分の勘違いなんだ」と無理やり自分に言い聞かせて納得していた。
だから、手を伸ばしたって届かなかった。
立場に気付いて声を掛けても、知らないフリをされた。
もうそんな自分にうんざりだ。
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