May 2011アーカイブ



15万円


この切手と15万円が等価なんて信じられないけれど、15万円を出して購入してきた。たぶんこれから一生見る機会もないと思う。明日はこれを持って法務局で登記申請。ここまで意外と難しいところはなかった。



設立方法の本をいくつか読んだだけなのに、本当に1人で設立登記が完了できそうだ。専門家に依頼すると楽できるらしいけど、自分でやるというのは良い経験になった。数年前まで、まさか自分が起業するなんて思ってなかったので感慨深い。



さて、明日は会社設立記念日だ。


60330




仕事をするときに人は6種類に分類されるらしい。




白=事実を述べる人


緑=想像力を発揮する人


黄=ポジティブに考える人


黒=問題点を指摘する人


赤=感情で訴えかける人


青=秩序を重んじる人




というのをNHKスタンフォード白熱教室という番組で放送していた。これは以前言及した本の著書、ティナ・シーリグが授業する様子を取り上げたものだった。


Eden of The East - 迎撃blog



そして先日、中小企業診断士との相談に再度訪れた。前回ほとんど話を聞くだけで、こちらからの主張は控えてたので、今回は逆に主張していこうと色々と準備して臨んだ。彼は言う。




「家具の資金こんなに必要なの?安い中古ショップもあって、これより安くすることができるよ」




オフィス用家具について少々高めの見積りを提出していたので、その点を指摘された。それについてこう答える。




「でも、デザインの仕事依頼に行って、安っぽいダサいオフィスだったらセンスを疑われますよね?」




すると彼も納得したようで文字通り「ぐぬぬ…」って顔された。あれこれ話している間に、きっと彼の仕事は『黒=問題点を指摘する』に偏っているんだと思った。



黒であることは悪くないんだけど、考え方がネガティブに陥っていたので、逆にこちらも主張を強めにしながら具体策をあれこれ提案した。彼の年齢が60目前なので、歳の差から信用しにくい気持ちは分かるのだけど。



彼はしきりにQBハウスの戦略性について話したけれど、それは成功したから語れるだけであって、もし起業前のQBハウスが相談にきても不満そうにするだろうなと思った。



1時間半に渡って相談した結果、一応は納得してもらえたようなので次回は書類を提出してくださいと言われた。それでも最後は「不安だなぁ…」と漏らしていた。これで審査が通れば良いけれど、どうなるかな。



話していて思ったのは、自分には『赤=感情で訴えかける』という部分が弱いのかなと感じた。情熱で進もうとしない、理屈じゃない主張が少ない。けれど起業の場合は情熱の部分が重要となってくる。これがないと行動的になれないし、情熱のない人には誰もついていこうとは思わない。もちろん、情熱だけではなく他の色も必要になってくるけれど。



そういう様々な角度からの物の見方。視点を変えて考えるのは良い授業だと思った。


60145





C 第3話『conspiracy』より引用



三國壮一郎が主人公に向かって言うセリフ。


C




「キミは普通が良い、安定が良いとばかり言っている。それは、自分だけのためにお金を稼ぐということだ。金とは自分ではない何かのために使ってこそ尊いと俺は思う。キミにはないのか、その何かが。」




これまで親の世代から言われてきた安定や、普通を手に入れるのが意外と難しいことに気付いた人が多いのだと思う。だから安定や普通なんて大して魅力的じゃないよと。その上で、お金をどう使うのかを問いかける。このアニメで言えば、とりあえず家族を守るためとしていたけれど。



それから、こう続ける。




「キミが金を使えば誰かを潤おす。貯め込んでいれば幸せなのはキミだけだ。ささやかな幸せはキミを幸せにしても周りに大きな幸せを振りまくことはできない。」




ここに共感というか、良いセリフだと思った。



たくさん貯金して、その金額だけで勝負して一喜一憂してる人たちがいるけれど、そこに意味はない。貯金額はただの数字で評価の基準ではない。人生はずっと続くように思えるし、将来が不安だから過剰に貯金をする気持ちもあるけど、死んだら表面上はゼロになってしまう。そのときに後悔したってもう遅いよと。



本当にお金の使い方は難しい。貯めるのは誰でもできる。逆に使い方については、たぶんほとんどの人は下手だ。



ここでは貯金を全くせずに浪費しろということではなくて、何かのため、誰かのために使いたい。そう思ったときに使ってこそお金の価値があるのだと言っていたけど。



自分が貯めたお金を使うときに考えたのは事業を興すために使うことだった。どうせ自分のお金だし、自分が正しいと思うもののために使い、それによって周りを幸せにしていければ良いと思ってた。



ただ口座に死に金を置いておくよりずっと良い。そんなことを考えて事業を興すための行動をしていたときだったので、運命的な何かを感じてしまった。


59979




事業資金の調達に行ってみた。



中小企業診断士と面談して書類を作ると良いことがあるらしいので話してきたのだけど、思いのほかふるぼっこにされてしまった。



つまり、1つは有力な人脈がないこと。仕事を貰いそうな見込み客があれば良いけど、どうやって見つけんの?という話。それと、もう1つは事業としての優位点がないこと。どこに需要があるのか考えてもらいたいと…。なかなか簡単におっしゃってくれる。



結果的に営業は大変だよって脅かされたような感じだった。



優位点はずっと考えていたけど、改めて聞かれると色々考えすぎてしまって言葉に詰まってしまった。先に人脈とか営業について突っ込まれたので言い難かったこともあるけど。とにかくシンプルで言いらしい。じゃあ、これだな。




『デザインによる企業のブランド化』




これを人件費を掛けずに低コストで実現することで差別化を図っていく。ハードルは高いけど、あとは実力勝負でいくしかない。大手広告代理店と競合し、遜色ない品質であれば問題はない。そしてこれは意外と勝てる見込みはある。



人脈については何とも言えない。とにかく最初は総当りでしかないと思っていて、最初の1人を見つけて、その人から広げていくことを考えてる。自分の人脈ではなくて他の人脈を辿れると思うのだけど、これを書類に書くのは適さないかも知れない。



人脈なんて、それこそ仕事で広げていくしかない。こんな言葉をどこかで聞いた。




『今の仕事を最後だと思って最高のものに仕上げること』




そうすれば自然と良い仕事ができ、それがまた別の仕事に挑戦する機会をもたらす。そういう仕事を通した実力を信じていくしかない。それはこれまで様々な場面で目にしてきているから間違っていないと思う。



あとは事業を興して仕事をする機会が一度あるかどうか。これはさすがに1年あれば1件や2件することもあるだろ。それは馬鹿にしすぎだって。…え、いや、ある…よな?ないわけが…え?ないの?



みたいな追い込まれる心境になったわ。


59900




東のエデンで滝沢朗がよく口にしていたセリフ。




「一発ぶん殴ってやらなきゃ気がすまない」




今の世界的な動きというのは権力への反抗だと思っていて、自分が会社を興す理由もそこにあるんじゃないかと考えた。都心の一等地のどデカいビルで、椅子にふんぞり返って偉そうにしているおっさん。世界はそういう権力に立ち向かっていこうとしている。



世の中は不思議に出来ていて、100万円で仕事を頼むと、半分はそのおっさんの懐に。そして、残りの50万を若者が何人かで分け合って仕事をすることになる。



おっさんは何もしてないのに50万の儲け。そんな理不尽な構造に対して、おかしいと気付いていても誰も何も言わない。それを受け入れて認めてしまうのも嫌なので何かしたかった。



それから時が経ち、予算削減で100万円は払えないからと80万円で仕事を頼むと、おっさんは自分の懐には50万円。残りの30万円を若者何人かで分け合って仕事させよう。割と真剣にそんな感じだと思う。決して40万ずつで分けようなんて思ってない。




「え、じゃあ今30万円で仕事やってるけど、おっさんを無視しちゃえば差額の50万円は依頼主と折半できるんじゃね?」




そういう考え。コストを抑えようとして、おっさんに頼むからおかしなことになる。



数も圧倒的に多くて、氷河期もなく育ち、ぶくぶく太ったおっさん達にこれ以上協力する必要はない。それが、都合よく利用される不安を語った東のエデンの森見咲ちゃんのセリフに重なって見えた。


物語のはじめかた - 迎撃blog



そもそも今の地位にいる権力者って二世や三世ばかりで、その地位を築いた人物は少ない。そういう権力者がいかに無能なのか、ネットで暴かれ始めたことで革命が起きたりするんじゃないかなと。



東のエデンをつくった神山健治監督の言葉で、曖昧ながら覚えているのが「そういった不正を暴こうとキャリアを重ねてきたけど、不正をする者はなく、自分の責任ばかりが大きくなり、結果として爆心地に近付いただけだった」と語っていた。



自分もおっさんをぶん殴るために起業してみたけど、自分が想像したようなおっさんはいなかった。そんな結論に辿りつくのかも知れないけど、行動してみないと何も分からない。




「一発ぶん殴ってやらなきゃ気がすまないからさ」




59634




一時帰省して実家の復興支援をしてきた。



行きの新幹線は赤ん坊を連れた人妻が隣の席になった。で、何故か赤ん坊とめっちゃ目が合う。あまりにもこちらを見るものだから、目で合図し返して遊んでいたら母親にも気付かれた。




「あやすの上手なんですね」


「何か気に入られてしまったようなので…」


「お子さんがいらっしゃる?」


「いや、いないですけど」




そんなこと言いながら、赤ん坊の手にちょいちょい触れたり、お母さんの方と話したり。赤ん坊の性別を聞こうとして




「男の子ですか?(それとも女の子ですか?)」




と省略して聞いたら、




「女の子です」




と少しぶっきら棒に言われた。怖い。この場合、最初は「女の子ですか?」と聞くべきで、男の子の場合は「いや、あまりに可愛らしいので…」と言えば良いとか。そんなセオリーを忘れてたわ。



別れ際、赤ん坊に「バイバーイ」と手を振ったら大喜びしてたし、母親とも丁寧に挨拶してお別れしたけれど。生後6ヶ月の女の子からモテたってどうしようもない。それとも、人妻か?人妻を狙うべきなのか?



実家では兄夫婦が出産間近らしく世間話とか、震災の話とか、散らかった部屋の片付けをしてきた。そんなことをしつつ、これまでの考えを整理してると大体1つの言葉にまとまった。




『下がることを過剰に恐れるあまり、これから上がる可能性まで捨ててはいけない』




たぶん今は誰でも極端に下がること、落ちることや失敗を恐れすぎているような気がしている。それは誰でも嫌だけれど、ただ待っているだけでは上がることもない。無駄なリスクをとることは無いけど、とるべきリスクまで回避していたら一生何もできない。



一時期、割と真面目に株価について勉強していたのだけど、たぶん人生もそんなもんだと思った。上がるか下がるかしか無いんだから、上がる方を信じて勝負していくことは間違いじゃない。どうせ明日がどうなるのかは誰にも分からないしな。



59412