karin: April 2006アーカイブ
結婚式に参加してきたのだけど、さすがに兄弟だけあって半数が知った顔という不思議な光景。前の会社の人もいたのだけれど、既に結婚してして辞めてしまったマツモトさんは不在。久しぶりに会ってみたかったんだけどな…。せっかく知り合ったのに、一生会うことのなくなってしまった人がいる、そういうことを凄く寂しく感じる。そういう意味で本当のつながり、人間関係を作っていくことは難しい…。もし結婚式をするときがあるとすれば、彼女を呼んでみたいな。
同じ誕生日である小学校高学年の従姉妹にも会ったけど、一番気があったな…。ずっとからかって遊んでた。そんな彼女のエピソードなのだけど、未婚の女性が集まって紐をひきブーケをもらうというイベント。残念ながらハズレで席に戻ってきたら、ハズレの紐を机に投げつけ少し不機嫌そうにしてた。そういった女性的な部分?が見え隠れするんだけど、それでも、まだ行動やら言動が幼い感じを引きずってる。思春期特有な感じが新鮮だった。
自分は4年後に結婚できてるのだろうか…、3年付き合った末の結婚ということだから少なくても来年までには出会ってないといけない。全くもって不可能な気はしてるのだけど。
あと、2週間後には会社で仲の良い女の子の結婚式。その後ハネムーン旅行へと行くらしい。完全に彼女に対する心を放さないといけないのだね。最後に彼女の挙式のためにデザインしたボードを完成させないと…。
他の仕事の打ち合わせ終わる頃に彼女が言う。
「それと、わたしの個人的な件はどうなってる?」
「個人的な…件?」
「うん…。」
「…ああ、休み明けとかで良いの?」
そんな意味不明な会話をして、絶対に周りは勘違いしてると思う。少なからず、同席していた別の女の子は勘違いしてるだろうな…。ただの挙式用ボードなんだけれど。
いつも何となくひいき目に扱われていて、隣りの席で別の新人と彼女が話していて、ふと仕事中にそちらを見ると彼女と目が合って、
「じゃあ、この件をお願いします。」
と、こっちに向かって言う。なので、こっちも「はい」なんて彼女に返事をする。「で、何の件?」なんて聞きなおしてみる。傍から見たらこっそり付き合ってる2人みたいな印象…、いや、思わないか。
スーツを受け取りに行く。久しぶりにドキドキする緊張を味わう。何となく外から中の様子を伺いつつ行動開始。店内を見渡して清掃してる女の子が彼女かなと思い近づくと別の人で、彼女を呼んでもらうことに。
「ただいま接客中でして、よろしければわたくしが…」
彼女じゃないとダメなんです…。それで、待つこと数十分。
「お待たせしましたー」
「あー、いえいえ」
「すいません、お時間取らせてしまって」
「受け取りに来たんですが、念のため試着はした方がいいですよね?」
「そうですね。」
そして彼女に連れられ試着室に案内される。
「先週の日曜日も来たんですが、いらっしゃらなかったようで…。」
「そうなんですか。」
「土日とかは休みなんですか?」
「わたしは日曜日は出勤しないんですよ。それ以外なら大抵居ると思うんで是非お声をかけてください。」」
「はい…。」
「それでは、試着ですね。」
そう言って淡々と仕事をこなしていく彼女。脈なし…。試着室に入る前に彼女がふと一言。
「日曜日は、別のお仕事をしているんですよ…。」
「えー。いろいろと忙しいんですね。」
「そうなんですよーうふふ」
みたいな。別のお仕事って何なのか、すごい気になる!けど、聞くのは怖い…。ミステリアスな部分を残しておくと魅力につながる。ほんとは知りたくして仕方がない。けど、聞けない…。別の仕事って何だろう。
そんなことを考えながら試着し終えて、彼女が心配そうなウェスト周りの詰め具合、そして袖の微調整を確認して、特に問題なさそうですねと言うと嬉しそうに笑顔で応える彼女。着替え直してスーツを彼女に渡す。どちらかと言うと、彼女は手入れの仕方などを丁寧に説明してくれる。それを聞きながら、合間合間に自分の話をしていた。
「GWなんかはどこか行かれる予定とかあるんですか?」
「あー、GWは忙しいから。」
「そうなんですか、春前とかの方が忙しいイメージあるんですけど。」
「季節の変わり目ももちろん忙しいんですが、5月くらいも需要があるみたいで…。」
そんな話をしながら、スーツの説明にシフトしたり雑談に戻ったりを繰り返す。
「来週の今頃はこれ着て仙台に行かないと…。」
「仙台ご出身なんですね。そうなんですかー。わたし好きですよ、牛タン。と、萩の月。」
「よく知ってますね。」
「ええ。」
「良かったらお土産でも買ってきましょうか?」
「いえいえ、お客さまにそんなことは…。」
社交辞令的な会話、微妙な距離感。ダメそう。
「あ、でも、あの辺に…」
と向こうを指して言葉を探す。彼女はそっちの方を見る。
「…あの辺に、仙台の銘菓とか売ってますよね。」
「あー、宮城ふるさとプラザ!」
「うん。」
「わたしお昼とかランチに、たまに寄るんですよ。」
「そうなんですね。あと、笹かまとかもありますね。」
「あー!笹かま!」
なんて会話を交える。話しやすい人と話しにくい人って居て、適当にあれ、それって言葉を使ったときに理解してもらえないと話しにくいと思ってしまう。わがままだけれど。彼女は理解が早いほうなので話しやすい。逆にすぐ「え?」とか聞き返されると、じゃあいいや、となってしまう。あきらめが早い。うん…。
二枚目の名刺を差し出されて「また来たときは、是非わたしに言ってくださいね」なんて、営業的なことを言われて…。見送られた。店を出て、ちょっと歩いて振り向いたら、まだ見てた。次に会うのは、5月半ばくらいの仲良しの女の子の結婚式に着ていくシャツとネクタイを買うときですね。ポイントも使わなきゃいけないし…。あえて、忙しそうなGWに様子見に行こっかな。
スクラン一期はおもしろいなーなんて現実逃避気味に。グルグル回りたい。
どんな話にでも出てくるライバルという存在。集団であれば、必ず自分を上回る才能を持った人がいるためライバル視して勝たないといけないと自分を奮い立たせるもの。しかし、現状で出会う人たちはチーム、仲間、そういったフレンドリーな関係になって周りに誰ひとりとしてライバルなんていなくなってしまう。
けれど、自分の中には常に理想だとか目指すべき誰か…、そういった存在が理想像として、仮想された敵として意識のどこかにある。それが自分を高めるために重要ではあるのだけれど、自分にとっては必要以上に仮想敵が強すぎていつでも不満があり、それを越えられないから自信が持てない。理想が高すぎることが考えすぎる原因で、もっとダメな部分も自身なのだと受け入れていかないと仮想敵にいつか負けてしまう。ダメな部分は誰かに依存して、甘えて受け入れてもらえればいい。
自分にとってそんな相手が必要であるし、きっと理解してくれる人はいるはず。だから何も怖がらずに一歩ずつ踏み出さないといけない。自分の思ってる仮想敵よりも怖いものなんてないのだから。
バシバシ。と、ものすごい笑顔で後ろから背中を叩かれる。
「ねぇ、忙しい?」
「あー、うん。」
「あれ、どうなってる?」
仲良しの彼女の言うあれとは、数週間前に「二人きりで相談したい」と彼女に会議室に呼び出されて言われた、ウェルカムボード。結婚式の2人の名前がお洒落に書いてあるボードのデザインをしてもらいたい、という要望だった。
「センスとかは任せるけど…。」
「うーん、どんな感じのが良い?」
「そうだね…、お洒落系?」
「難しいこと言うね。」
「うん…。でもうちのあれは、センスないから。」
“うちのあれ”って、婚約相手の…。そんな成り行きで、あれの件の進行状況を聞かれた。
「どうなの?」
「うん。」
「進んでる?」
「まあまあ…。」
「出来そう?」
「うん…。月曜日とかで良い?」
「うーん…、うん。」
「お洒落目だよね?」
「うん、お洒落目ね。」
そういう他愛無いことを話してる間中、ずーっと背中叩かれてた。何なの?
どこか緊張をしてて、コミュニケーションに自信がないことの裏返しなのか、それとも単に距離を縮めていきたいだけの接触なのか、お願いしてるからがんばってねという意味なのか…。いや、いじられキャラだから虐めたりしたいだけなのか…。
そんな好きな相手の結婚式のために、彼女とその恋人の名前をいれたラブラブのウェルカムボードをデザインする。という、心が破壊されそうなことをしないといけない。そんな春。
痛い…。見ないフリをして生きてきたのだけど、読んでみた。大したことは書いていなくて、2つのことに注意すれば彼女ができるらしい。
1.自分に自信を持つこと
すでに思いっきり自信喪失してる。何に対しても自信は持てない。でも、仲良しの女の子には「自信を隠し持ってるタイプ」と言われたという。さて、どっちなんだ。
2.コミュニケーションすること
普通の会話なら問題なくいけるが、1対複数とか、長時間になると絶望的な気がする。コミュニケーションに対して逃げの姿勢だし。あとは表情も大事らしいのだけど、これもダメだな。
で、最初の段階は実例から始まるのだけれど、第3章以降からはほとんど彼女が出来てからどうすべきか?に重点がおかれている。セックスとかセックスとかセックスとか。読んでいる意味が全くない。読者置いてけぼりですよ。きっと恋愛には解決方法なんてないんだなって思わせるような内容だった。
自分の経験から学べる
ただ自分にとって恋愛や付き合うこと、女の子に対して大きな幻想を持っていたし、何にしても遠くから眺めているだけでは何も理解できない。付き合っていく上で学んでいくことの方が重要だし、そのことに対しての恐怖だって凄くあった。でも、上京してバイトをしたこと、そして現在の状況を考えれば怖いことだってなくなるくらいの自信はついた。もしくは、失うものなんて最初から持ってないということに気付いただけかな。何かに甘えていたから行動的になれなかったり、他人の目ばかりを気にして自分が分からなかったけれど、きっと一人暮らしを始めて良い方向に進んでいると思う。
そして、恋愛は他人と比べて焦る必要はないし、自分のペースで良いかな。だけど、それは逃げたり避けることじゃなくて、きちんと目を向けてないと出会えるべき人とも出会えなくなってしまう。自分のことだけじゃなく、きちんと周りを見て他人に興味を示さないと成長できない。そして、身近な人にこそ親切に優しく接すること。それが出来ないときっと誰にだって優しくできない。
何よりも恋愛をしていないことで、自分だけの時間はたくさんあった。それで得たものを、そろそろ使うときなのかもしれない。その時に考えていたことや、学んだことを自分の恋愛に還元していくこと。それだけで、プラスマイナス0にできる。
きっと本を読むよりも、自分で解決方法は意外と知っているもの。だって、ずっと彼女がいないんだから…。
世間一般的なオタク女子がどんな思想なのか、ちょっと立ち読みしたら興味深くて購入後即読破。小説、作り話の世界には飽きているので良い気分転換。ついでに教養を兼ねながらの読書ライフ。ただ、腐女子とかオナニーとかって文字が躍っているから電車内で読む際にも注意が必要なのだ。
ボーイズラブ読んでるときに知り合いに「何読んでるの?」と聞かれたら「江國香織だよ」って誤魔化さないといけない文章の心境と一緒。
すぐ好きになる
冠婚葬祭用の礼服を買いに行ったのだけど、店によって客対応の違いがすごい。酷いとこはサイズのある場所だけ案内して終了。接客が悪いところはもう二度と行ってあげないんだから!でも、対応の良いお店も見つけて何着か探してもらうんだけど、そのたびに分からなくなるという悪循環。着丈、身幅、肩幅…。
上戸彩のイメージの強い青木なんかも良かったけど、アパレルで何件か試着後、最後はスーツ系で売ってるスーツセレクト21に決定。接客で少し親身になってくれたことと、スーツの売りが上手かったからかな。「普段はどんなところで洋服買うんですか?」という話題にしてまでこっちの提示してるサイズにあわせようとしてくれて、ただ買ってもらえれば良いというタイプの店員さんじゃなかった。
それで、取り置きを頼んだスーツセレクト21に再度向かう。試着手伝ってくれた担当の人の名刺持って。彼女に合うと…、女の店員さんなんだけれど最初は作ったような笑顔で挨拶。
「いろいろ探してきたんですけど、さっきのにします。」
「ありがとうございます。どんなところ見てきました?」
「新宿まで行ってきました。」
「へー、Perfect Suit FActoryとか…。」
そんな会話を交えたあとに再度試着開始。
「袖の部分なんかって直せますか?」
「うーん、ちょっと無理なんですよー…。」
ちょっと袖を直す仕草を見せる、と彼女が気付いたように言う。
「あ!幅じゃなくて、丈ですね!直せます、直せます。」
天然っぽい感じに好印象。で袖丈を測る。
「若干、右手の方が長いのかな…。」
「そうですか?自分では気付かないけど…。」
「なんか、スポーツやってる人に多いんですよね。」
いや、帰宅部…なんてことは言わず。とにかく袖丈を何度となく微調整をしてる彼女を見て思い出したように言う。
「そういえば他の店では、一般的に親指から9センチくらいがジャストらしいって言ってましたよ」
彼女はすぐに何も言わずに、すこし考えてから
「でも、親指の長さだって人によって違うんじゃないですかね?」
と、自身の意見をキチンと述べる。適当に合わせたりしない。
何度か試行錯誤して満足がいく長さに調節すると、コンマ2センチ左が短め。そのあとに、彼女がふと親指の先からの距離を測ると、
「あー!9センチだね!」
とお互いに笑い合う。そのときの表情は最初に見せたような作り笑顔じゃなく、心から楽しそうな。
1階デート
「一式揃えたいので、シャツなんかも見てもらって良いですか?」
「お直しを頼んでくるので1階で待っててもらえます?」
「あ、はい。1階に居ればいいんですね。」
なんて、微妙な距離感を保ったデートに近い感覚。この地点ですこし彼女と親密を心がけて接してみる。礼服買いに来てるだけなのにすでに趣旨が変わる。
一階で待ってると、走ってくる彼女。自分のために一生懸命になってくれてる姿は可愛いな…。なんて、思いながらシャツ選び。
「色とかはどんなのがお好みですか?」
「うーんと…。礼服なんで…。」
「この辺とかですかね…」
「実を言うと、今月は親族の結婚式で来月、会社の同僚の結婚式があるんですよ。なんで…。」
「あー、親族側だったら…。」
と、彼女はグレー目のシャツを取り出す。
「たぶん、これでも全然大丈夫だと思います。」
意外と強気。というか、なんとなく彼女の感覚を信用してるので決めかけたけど、
「…でも、白って言われた気がするから、無難に白にしようかな…」
それで、白シャツに決定。そのあとに彼女は、
「実はわたしなんかも、今日はほんとは出勤しない予定で友人の結婚式に行くんですよ。」
「えー、そうなんですか?」
「それで、二次会に出席するために、朝からスーツで来たら周りに笑われましたよー。」
「ありますよねー。」
「今月、今年の一月から周りがみんな結婚し始めて出費がすごい増えて…」
「うんうん。だいたい三万くらいは包まないとダメだし…。」
「そうですね。うーん…。同僚の人たちはどこで式を挙げるんですか?」
「あの、代官山とかって言ってたような…」
「あの辺多いですね、値段的にもかなりいきそう」
なんてカジュアルな会話を交えつつ、同僚のためのシャツまでセレクト!普段は私服勤務だからと言うと、また待っててくださいと言って走ってまでシャツとネクタイ取りに行ってた。で、そんなイメージにお勧めのものを見てくれた。
「わたし、代官山のあたりでアルバイトしてたんですよ。」
「前はどんなこと…?」
「あの、飲食業で。」
そのあと、こっちの職業も聞かれたけど、そんなに興味を示してもらえず…。やっぱり私服だから、スーツが大好きな彼女とは合わないような。同僚用のお洒落シャツは買い控えて、再び来ることに決める。そのほうが仲良くなれる機会が増えるかもしれないし…。
そのあとに靴を見てもらい、説明を受け会計のためメンバーズカードを作る。
「名前、変わってますね」
「あ、よく言われるんです」
なんて定番の会話で始まり、名前の説明をしたあとに
「板橋って東上線ですか?」
「そうです。」
「だったら、わたしの近所ですね。」
「あの辺に住んでると、もっと都会っぽくこっちの方に住みたくなりません?」
「あー、そうですね。でも、あのあたり治安は良いですよね。静かだし。」
「静かですよねー。」
「そうそう。」
「あ、でも、うち…。アパートの近所に電車走ってますけどね。」
「あらー…」
なんて、乾いた笑いを交えながら会計を済ませて。彼女が頭を下げながら、
「ありがとうございました。」
「いえいえ、ありがとうございました。」
向こうが頭を上げたときに少し目を合わせてもう一度お礼をして終る。うん。好きになってしまうかも…。お金だけの関係、とかそういう危ない感じもあるのだけど、もう少しだけ、親しくなってみたい。アパレルか…、危ないかなぁ。