年上好き
スーツを受け取りに行く。久しぶりにドキドキする緊張を味わう。何となく外から中の様子を伺いつつ行動開始。店内を見渡して清掃してる女の子が彼女かなと思い近づくと別の人で、彼女を呼んでもらうことに。
「ただいま接客中でして、よろしければわたくしが…」
彼女じゃないとダメなんです…。それで、待つこと数十分。
「お待たせしましたー」
「あー、いえいえ」
「すいません、お時間取らせてしまって」
「受け取りに来たんですが、念のため試着はした方がいいですよね?」
「そうですね。」
そして彼女に連れられ試着室に案内される。
「先週の日曜日も来たんですが、いらっしゃらなかったようで…。」
「そうなんですか。」
「土日とかは休みなんですか?」
「わたしは日曜日は出勤しないんですよ。それ以外なら大抵居ると思うんで是非お声をかけてください。」」
「はい…。」
「それでは、試着ですね。」
そう言って淡々と仕事をこなしていく彼女。脈なし…。試着室に入る前に彼女がふと一言。
「日曜日は、別のお仕事をしているんですよ…。」
「えー。いろいろと忙しいんですね。」
「そうなんですよーうふふ」
みたいな。別のお仕事って何なのか、すごい気になる!けど、聞くのは怖い…。ミステリアスな部分を残しておくと魅力につながる。ほんとは知りたくして仕方がない。けど、聞けない…。別の仕事って何だろう。
そんなことを考えながら試着し終えて、彼女が心配そうなウェスト周りの詰め具合、そして袖の微調整を確認して、特に問題なさそうですねと言うと嬉しそうに笑顔で応える彼女。着替え直してスーツを彼女に渡す。どちらかと言うと、彼女は手入れの仕方などを丁寧に説明してくれる。それを聞きながら、合間合間に自分の話をしていた。
「GWなんかはどこか行かれる予定とかあるんですか?」
「あー、GWは忙しいから。」
「そうなんですか、春前とかの方が忙しいイメージあるんですけど。」
「季節の変わり目ももちろん忙しいんですが、5月くらいも需要があるみたいで…。」
そんな話をしながら、スーツの説明にシフトしたり雑談に戻ったりを繰り返す。
「来週の今頃はこれ着て仙台に行かないと…。」
「仙台ご出身なんですね。そうなんですかー。わたし好きですよ、牛タン。と、萩の月。」
「よく知ってますね。」
「ええ。」
「良かったらお土産でも買ってきましょうか?」
「いえいえ、お客さまにそんなことは…。」
社交辞令的な会話、微妙な距離感。ダメそう。
「あ、でも、あの辺に…」
と向こうを指して言葉を探す。彼女はそっちの方を見る。
「…あの辺に、仙台の銘菓とか売ってますよね。」
「あー、宮城ふるさとプラザ!」
「うん。」
「わたしお昼とかランチに、たまに寄るんですよ。」
「そうなんですね。あと、笹かまとかもありますね。」
「あー!笹かま!」
なんて会話を交える。話しやすい人と話しにくい人って居て、適当にあれ、それって言葉を使ったときに理解してもらえないと話しにくいと思ってしまう。わがままだけれど。彼女は理解が早いほうなので話しやすい。逆にすぐ「え?」とか聞き返されると、じゃあいいや、となってしまう。あきらめが早い。うん…。
二枚目の名刺を差し出されて「また来たときは、是非わたしに言ってくださいね」なんて、営業的なことを言われて…。見送られた。店を出て、ちょっと歩いて振り向いたら、まだ見てた。次に会うのは、5月半ばくらいの仲良しの女の子の結婚式に着ていくシャツとネクタイを買うときですね。ポイントも使わなきゃいけないし…。あえて、忙しそうなGWに様子見に行こっかな。
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