karin: July 2009アーカイブ
自分は会社の女の子に嫌われてると思っているし、
彼女と仕事以外の話題で話すなんて滅多にない。
興味をもたれてもいないから話しかけられることだってない。
だから、自分が持つ彼女の印象は次第に悪くなっていった。
それでも仕事で話すことがあったので声を掛けた。
すると彼女は席から立つこともなく顔も見えない場所で返事をした。
そんな行動に少しイライラしたんだと思う。
「あのさ、ちょっと…」
そう言って手で合図すると、渋々こちらに来る。
彼女が立っているその位置は、こちらが手を伸ばしても届かない距離だ。
それがそのまま互いの心の距離なんだろう。
「あのさ、人によってやり方が違うじゃない。だから…」
「わたしはね」
彼女はそう口を開いて仕事の進め方の説明をはじめる。
「だからね、わたしはこうして欲しいの」
「でも、それじゃこの2つは別の人が作ったって分かるよ?」
「前にやり方教えたじゃん、その通りにやって。」
そう少し投げやり気味に言われる。
それで彼女への期待が裏切られた気がした。
「…そうだっけ?」
さっきまでのイラだった気持ちで言ってしまったんだと思う。
たぶん、それが彼女に悪い印象を与えた。
少しの沈黙…。
彼女の表情を覗き込むと、今にも泣き出しそうな目をしてた。
だからそれを遮るようにして言葉を繋ぐ。
「あの…、じゃあさ、ちょっと、これ見て」
そう言ってモニターを指差して教えてほしいと伝えた。
彼女はそれに応えて優しく教えてくれたけれど、
このことでまた彼女からの印象は悪くなっただろうな。
もう明日朝一で謝っても許されないレベルで。
とらドラ!12話より引用
「会ったんだ。会ったくせにそう言うんだ。高須くん、その人に会ったときちゃんと両目開けて見た?その目はちゃんと見えてたの?」
大河と父親の関係がよくなった事を嬉しそうに実乃梨に伝えると、
大河の父親と会ったことを言及され、逆に言い返されるシーン。
ほんとに見えてたのか?見えてると思ってるだけじゃないのか?
勝手な想像や思い込みで見えてると判断して、
相手の事を考えていないんじゃない?
その後、実乃梨と口喧嘩になって教室を出て行き、落ち込む高須くん。
そこに川嶋亜美が来て愚痴を言うのだけど彼女は冷静に答える。
「甘えんじゃないよ。自分で考えな。」
見る。今までの自分は遠目から見ていた気がする。
真剣に目を凝らして見た?理想や想像じゃない
目の前にいる相手を見ようとしていた?
そうやって何度も問い直す必要があるんだと思う。
そして真剣に考えた?誰かの意見じゃない自分の意見?
今まで当たり前に「見る」「考える」をしてると思っていたけど、
無意識に理想を当てはめたり、思い込みで行動したり、
考えることを放棄したり、そういう生き方をしていたのかもしれない。