karin: March 2010アーカイブ
うみものがたり ~あなたがいてくれたコト~
第3話 「近づく心」より引用
鈴木さんがマリンに対して、夏音ちゃんに対して思っていることを言うセリフ。
「あの子、いつも人が嫌がること自分から引き受けちゃうんだよね。邪悪オーラ全快なんだけど仕事はきっちりやるんだよ。…たぶん、宮守は周りがもめたり、いがみ合ったりするのが嫌いなんだと思う。」
それを聞いたマリンは答える。
「夏音ちゃんは優しいから…」
それを影で聞いてしまった夏音だけど
巫女の使命から逃れ、自分に言い聞かせるように呟く。
「もう嫌な役を引き受けたりしないんだから…そんな馬鹿みたいなこと、やりたくてやってるんじゃない。」
そのまま歩いていきながら、さっき聞いてしまったセリフを思い出す。
(周りがもめたり、いがみ合ったりするのが嫌いなんだと思う。)
「そんなんじゃない!」
(夏音ちゃんは優しいから…)
「優しくなんかない!」
そして感情を爆発させるように言う。
「嫌われたくないからやってただけなのに、何でそう良い方に解釈するのよ!ああーもう!やってやるよ!嫌な役引き受けますよ!巫女でもなんでもやってやろうじゃないの!」
そうして自分の使命に戻っていく。
このシーンが良かった。
他人が嫌なことややりたくないことを引き受けてしまうときがある。
自分もわりと断ることができなくて、面倒だけど仕方ないと割り切ったりする。
それを嫌々でもやってると、自分のことが嫌いになることもある。
けれど例え嫌な気持ちでやっていても、それを見ていて評価してくれる人もいるんだと。
それが今の自分のおかれた状況にも少し似ている気がする。
「やってもお金にならない仕事です。」
「明日提出だから急いで作って。」
そんなの誰だってやりたくないさ。
無理して引き受けたって良いことなんて何もない、評価されるわけでもない。
だけど何で自分が引き受けてしまうのか。
それは誰かがやらないと仕方ないから、嫌われたくないから、
困っている人がいたら助けたいと思うし。
それで仕事を引き受けてしまうのが正しいことなのか分からないけれど、
「無理だ、出来ない」と諦めてしまったらそこで全部終わる気もするし、
「できません!」と強い意志で言える方が正しいのかも知れないけれど。
でも、今の自分もきっと夏音ちゃんと同じ心境なんだろうな。
「ああーもう!やってやるよ!嫌な役引き受けますよ!」
年度末、1人の女性が会社を辞めました。
その子は以前の日記では全くと言っていいほど触れていない。
彼女は年齢が自分の1つ下で、自分と同じように仙台出身だった。
そんな共通点があったけれど特に親しくなるわけでもなかった。
入社した頃の自分は別の女の子と仲良くなりたいと思っていたし、
彼女のことは絶対に仲良くなれないタイプだとずっと思い込んでいた。
だから、彼女に仕事を頼まれることがあっても異性を意識したことはなかった。
むしろ彼女自身に興味がなかったんだと思う。
彼女もビジネスライクに接していたし、それが普通だった。
それがだんだんと彼女の仕事が増えると共に頼まれる仕事も増えてきて、
彼女はその仕事を直接話してくれることが多かった。
上司のことは嫌いらしく、そこでも彼女との意見は一致していたらしい。
彼女は話してる間もなかなか視線を合わせてくれないのだけれど、
話す機会が増えるにつれて自然に接してくれるようになった。
そんなある日の朝、彼女は朝の会議の席で言った。
「今月いっぱいで退職することになりました。」
突然の告白に自分は彼女の顔を見ることが出来なかったけれど、
真正面に座る彼女はこちらの様子を伺おうと視線を送っていた気がした。
けれど自分は感情を隠すように俯いて、彼女の方を向くことはできなかった。
その後のふとした隙に彼女を見たときには
「みんなに迷惑をかけてしまうことへの不安」を感じさせる表情だった。
大事なときに視線を合わせて、心配ないよと伝えられたら良かったのに。
自分は「彼女がこんな意味不明な会社にいるより絶対に良いことだ」と思ったし、
寂しい気持ちよりも喜ばしい気持ちでいられたのだけど、
後から地元に帰るという話を聞いて少し悲しくもなった。
彼女が出勤する最終日に、彼女はお礼の品を持ってきて
「お世話になりました」
という感謝の言葉と、
「わたしはキミのデザイン、好きだったよ」
と笑顔で言われた。
それからは一言二言、挨拶程度の会話で終わってしまったのだけど。
普段、自分から積極的に話しかけるタイプではないし、
誰かが全く話のできない人だと噂をしていたときに彼女は
「普段の彼は話さない人ではないと思う」と言ってくれたらしい。
彼女が去って数日後、それが今日なのだけど
お礼の品を開けてなかったことを思い出して開けてみたら手紙が入っていた。
そこにはこれからの仕事のこと、お願いしたデザインが好きだったこと、
そしてもっと会話をしたかった、といった内容が書かれていた。
彼女からの手紙を見て、変わらなきゃいけないなと思った。
クイーンズブレイド 流浪の戦士 第10話 『開眼~竜の一撃』より引用
傷付いたレイナが言う。
「みんな大きなものを背負ってるんだよね。リスティは貧しい子供たちを救うため。ノアもカトレアさんもみんな何かを背負ってクイーンズブレイドに参加している。トモエだって遠くの国から参加するくらいだし、よほどの理由があるんでしょう?
…でも、わたしにはそんなものはないの。大きな使命も、大きな想いも、何もない。」
それを静かに聞いていたトモエが耳元で優しく答える
「何かを成し遂げたいという想いがそこにあるのなら、それが大きいとか小さいとかいうことはないのではないでしょうか?わたしはそう思います。」
今まで、映画を見たり、小説を読んだり、誰かが主人公の話を見て、
主人公に感情移入してるのが好きだった。
実際の生活では映画や小説のような話もないから
何となくだけど、周りや他の誰かに期待して生きていたように思う。
でも物語の主人公は自分なんだから、動機が何であっても
自分で目標を見つけて実現のために行動していかなきゃいけない。
戦う司書 第20話「弔鐘と本と死にたがりの少年」より引用
「実はこの世界はわたしのものなんです」
それを聞いたエンリケはノロティに問いかける。
「どこからどこまで?」
「全ての国と人と、海と山と町の全部です。あと、エンリケさんもです」
戦う司書 第22話「空と結末と彼女の世界」より引用
「何かいいことはあるのか?世界がお前のものだとして」
ノロティは楽しそうに答える。
「こんな凄いこと他にありませんよ!
だって、どこかで誰かが幸せになったら、それ全部わたしのものなんですよ!わたしはこの世界がすごく大事なんです、大事で大事でたまらないんです!」
自分の内側の世界と外側の世界。
それを分けて考えることが多くて、外側ばかりが幸せに見えるときがある。
誰かと比べてあれこれ考えたり悩んだりする。
けれど世界は自分のものだと考えを変えれば、内側と外側の境界なんてなくなり
誰かの幸せも自分の幸せなんだと思えるようになる。
世界の全てが自分のものなんだから、周りで困っていたら助けようと思うし、
やっぱり自分も世界も幸せな方が良い。
今まで世界VS自分で戦おうとばかりしてきたけど、
少し考え方を変えるだけでもっと良い方向にいくかも知れない。