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うみものがたり ~あなたがいてくれたコト~
第3話 「近づく心」より引用
鈴木さんがマリンに対して、夏音ちゃんに対して思っていることを言うセリフ。
「あの子、いつも人が嫌がること自分から引き受けちゃうんだよね。邪悪オーラ全快なんだけど仕事はきっちりやるんだよ。…たぶん、宮守は周りがもめたり、いがみ合ったりするのが嫌いなんだと思う。」
それを聞いたマリンは答える。
「夏音ちゃんは優しいから…」
それを影で聞いてしまった夏音だけど
巫女の使命から逃れ、自分に言い聞かせるように呟く。
「もう嫌な役を引き受けたりしないんだから…そんな馬鹿みたいなこと、やりたくてやってるんじゃない。」
そのまま歩いていきながら、さっき聞いてしまったセリフを思い出す。
(周りがもめたり、いがみ合ったりするのが嫌いなんだと思う。)
「そんなんじゃない!」
(夏音ちゃんは優しいから…)
「優しくなんかない!」
そして感情を爆発させるように言う。
「嫌われたくないからやってただけなのに、何でそう良い方に解釈するのよ!ああーもう!やってやるよ!嫌な役引き受けますよ!巫女でもなんでもやってやろうじゃないの!」
そうして自分の使命に戻っていく。
このシーンが良かった。
他人が嫌なことややりたくないことを引き受けてしまうときがある。
自分もわりと断ることができなくて、面倒だけど仕方ないと割り切ったりする。
それを嫌々でもやってると、自分のことが嫌いになることもある。
けれど例え嫌な気持ちでやっていても、それを見ていて評価してくれる人もいるんだと。
それが今の自分のおかれた状況にも少し似ている気がする。
「やってもお金にならない仕事です。」
「明日提出だから急いで作って。」
そんなの誰だってやりたくないさ。
無理して引き受けたって良いことなんて何もない、評価されるわけでもない。
だけど何で自分が引き受けてしまうのか。
それは誰かがやらないと仕方ないから、嫌われたくないから、
困っている人がいたら助けたいと思うし。
それで仕事を引き受けてしまうのが正しいことなのか分からないけれど、
「無理だ、出来ない」と諦めてしまったらそこで全部終わる気もするし、
「できません!」と強い意志で言える方が正しいのかも知れないけれど。
でも、今の自分もきっと夏音ちゃんと同じ心境なんだろうな。
「ああーもう!やってやるよ!嫌な役引き受けますよ!」