以心伝心

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「ね、わたしたちは通じ合ってるよね?」




明日からの夏期休暇のため、会社の女の子と仕事の大詰め作業をしていた。


彼女との口数は相変わらず減ったままだけれど、


たまには構ってよとでも言うように簡単な仕事を持ってくる。



そんな小さな接点から、彼女の仕事に付き合った。


そのことで彼女とその上司、自分とで話し合っていたときのこと。




「これはJPGじゃなく、いつもの形式で」




彼女はそう事務的に言い、それに簡単に頷いた。


それを見て上司が不思議そうな顔で言う。




「え?なんで?JPGじゃなくて良いの?」


「うん、そのほうが軽いからね」




年の離れた恋人に言うように彼女は簡単に理由を述べたけれど、


ずっと頭に疑問を浮かべて理解していないようだった。



彼女は笑いをこぼすように、すこしだけ息を漏らす。


その様子を見ていたら彼女と目が合った。


人差し指で行ったり来たりするジェスチャーをしながら言う。




「ね、わたしたちは通じ合ってるよね?」




それは決して心が通じ合っているではなくて、


あくまで理解のことだけだと感じて寂しくなった。



もっと心に踏み込む勇気があれば、


彼女との関係も何か変わっていたのかもしれない。


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このページは、karinがAugust 11, 2009 12:00 AMに書いたブログ記事です。

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