宣言してみる
会社の女の子と仕事の話を終えて、
彼女は隣の空いている席に座り別の作業を始めた。
そこで思い出したように彼女に声をかけた。
「──さん」
「はい?」
そう答えて首を傾け、こちらの言葉を待つように見ている。
それを見てすこし迷い、言葉を慎重に探してから口に出す。
「あのさ…、今度、手紙渡すから。」
彼女は特に気にするでもない様子で「はい」とだけ答えた。
どんな手紙か聞いてくると思ったけど、何もなかった。
ラブレターかと思った?
それとも、転職のこと?
そんな相手の想像を想像してみる。
内容は仲直りのことだけど。
手紙は形に残るし、下手したら他人にも読まれる可能性もある。
渡すことは照れるけど人生は一度しかないし、やってみる方がありだ。
もし他人に読まれていても、相手がその程度だったってだけだし、
怖がっていたら何も行動なんて起こせない。
前の会社の仲良かった子にも何度か手紙渡したことがあって、
今となると、あれも相当恥ずかしい内容だった気がする。
思い出したらベッドの上で手足バタバタするレベルで…。
よし、そろそろ死ぬか…。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 宣言してみる
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://bearhack.s21.xrea.com/x/mt/mt-tb.cgi/1209
コメントする