再接近?
「わたしA型じゃないのかも」
「どうして?」
「違う気がするんだよね、こんど調べてもらおうかな…」
土曜日に会社の女の子と休日出勤して、
2人きりというわけではないけれど、一緒に仕事をした。
彼女の休憩に誘われて非常階段で2人で会話したりもした。
ひとつの壁を乗り越えて少し仲良くなったのかもしれない。
そんな状況で夜中まで仕事をして、
残っていた営業を含めた3人で飲み会に行くことになる。
彼女は何度か、苦労した過去を思い出して泣きそうな表情を見せたり、
そうかと思えばニコニコと楽しげに話したりすることもあった。
木曜日の上司と意見の衝突した飲み会とはまた違う印象だった。
閉店まで飲んで、帰りの電車に乗る。
土曜の電車は普段よりも空いていたし、「一駅だから」と言って立っていると
彼女は自分の隣の席をポンポンと叩いて
「座って」
と、言った。それから彼女は冒頭の血液型の話をした。
「ねえ、わたし何型だと思う?」
A型だと知っていたし、B型とは答えらなくて迷った挙句に答える。
「…AB型」
「なんで?」
「裏表があるから」
そう、冗談っぽく言ってみた。
「裏表なんてないよー」
「じゃあ…、大らかなO型?」
「じゃあって何?」
「うん?」
「じゃあって言ったでしょ」
そう戯れるように言葉遊びをした。
次の駅に近付いてきたので、彼女に別れの話を切り出した。
「じゃあ、また月曜日ね」
「うん、いろいろお願いすることあると思うけど…」
「いいよ、手伝うから」
そう言ってから席を立ち、手を上げて彼女に改めてお疲れさまと言った。
まだ話し足りないという余韻を残しながら。
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