ないもの
会社の女の子に仕事の話を聞いてみた。
相変わらず、彼女らしいとても丁寧な説明をしてもらった。
それから間を空け、遠くの席から言い忘れたことを思い出すように
「…ありがとう」
遠距離でそう言うと、彼女は「いえいえ」と迷惑じゃないことを意思表示した。
それから彼女は他にできることは無いかと席に来たりした。
彼女と2人でプリンターの前で待ってたとき、
「なかなか出てこないね」
そんな表情をしたまま彼女と数秒間見つめ合った。
女の子と接するだけ。
その時間が楽しければ楽しいほど
後になって奈落の底へと突き落とされてしまう。
それは相変わらず彼女が自分を見てくれないから、
全てに興味を失うようにして何もない時間を過ごす。
手に入らないのなら最初からいらない
どうでも良くなってイヴに即効帰ってきたこと。
予定もないのに年末の忘年会をキャンセルしたこと。
そんなストイックな人生。
彼女に心配そうに言われたことがある。
「他人にあんまり興味ないの?」
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