彼女のミニ

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「わたし、復活したよ!」




そう会社の女の子が宣言したのは昼過ぎだった。


席に来て、ニコニコ笑顔で嬉しそうに言う。


そんな彼女に理由も聞かず、



「そっか、良かったね」




なんて笑顔で答えた。彼女は天井を見つめるようにして言う。



「ほんとは会社に来るのには、ジーンズは駄目なんだけどさ…」


「うん」


「でも今日はほら…、ジーンズなんだよ」




そう言って両手を少しだけ広げる仕草を見せる。


いつもは見られない彼女のミニスカジーンズ姿。



「そっか、やっぱり似合うねジーンズ」




なんて誉め殺しにするんだけど、彼女はそれを受け流して、



「そう、わたしはもうこの会社になんて縛られないんだ」




そう言ってから「自由なんだもーん」と舌を出すように


意地悪な笑みを見せて言うと、何かに満足したように戻って行く。


話し終えた後の彼女は普段よりも元気だった。



それでも、今日も空回りしていたみたいだけど。


そんな彼女を見て何も言わず、ただ見守るだけの自分。


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このページは、karinがDecember 10, 2008 12:00 AMに書いたブログ記事です。

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