彼女のミニ
「わたし、復活したよ!」
そう会社の女の子が宣言したのは昼過ぎだった。
席に来て、ニコニコ笑顔で嬉しそうに言う。
そんな彼女に理由も聞かず、
「そっか、良かったね」
なんて笑顔で答えた。彼女は天井を見つめるようにして言う。
「ほんとは会社に来るのには、ジーンズは駄目なんだけどさ…」
「うん」
「でも今日はほら…、ジーンズなんだよ」
そう言って両手を少しだけ広げる仕草を見せる。
いつもは見られない彼女のミニスカジーンズ姿。
「そっか、やっぱり似合うねジーンズ」
なんて誉め殺しにするんだけど、彼女はそれを受け流して、
「そう、わたしはもうこの会社になんて縛られないんだ」
そう言ってから「自由なんだもーん」と舌を出すように
意地悪な笑みを見せて言うと、何かに満足したように戻って行く。
話し終えた後の彼女は普段よりも元気だった。
それでも、今日も空回りしていたみたいだけど。
そんな彼女を見て何も言わず、ただ見守るだけの自分。
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