体調不良

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「体調が優れないので…、はい。ちょっと遅れて出社します。」



会社に連絡して午後から出社する。前日のことで精神的なダメージを受けていたし、極端に恋愛に傾いていた気持ちを戻したかった。傷を癒すための深い眠りに落ちて、起きたのは昼頃だった。仕方なく準備をして家を出た。



しばらく歩くと会社から連絡がはいる。携帯に出ると、例によって会社の女の子本人の声だった。彼女を忘れようした自分に対しての皮肉のようだ。彼女が心から心配して電話した…、と言うより上司か誰かに言われて仕方なしに掛けている印象だった。



「具合どう?」


「えっと、今会社に向かってます。たぶん、30分くらいで着くと思います。」



体調を心配してくれた彼女に対して、事務的に答えて距離をおいた。



社内では彼女に対して冷たく振舞って、自分から話しかけもせずに仕事だけをする。ただ都合の良い存在となるのは嫌だったし、彼女から話しかけてこないようなら嫌われているんだろう。そういうネガティブな気持ちでいた。好きだった分だけ、それが正反対になって嫌いになる。




妄想




黙々と仕事をしていると、後ろに彼女がいて心配そうに言う。



「どうしてわたしと話してくれないの?…なんかさ、避けてる?」


「いや、いじけてるから…」




不安そうに見つめる彼女から目をそらすようにして、続けて言う。



「普段からそんなに話すキャラじゃないし、話すこともそんなにないしね…」




そう言って白い紙にもやもやとした気持ちを書く。


もやもや



そんな展開を妄想しながら体調悪そうに仕事をしていたけど、彼女から話してくることなんて一度もなかった。体調を心配されることもなかったし、帰りに一言くらい言葉を交わしただけだった。



もう彼女の目を見るだけでも精一杯だし、これ以上傷を負うことはできない。


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このページは、karinがSeptember 3, 2008 12:00 AMに書いたブログ記事です。

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