初デートのこと

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楽しみにしていたデートなのに思ったほど書くことがない。それほど普通で、1人で歩くことがコンプレックスに思っていたはずなのに、女の子と2人で歩いてみても周りに対する優越感なんかも特に大きく感じることはなかった。




女の子はデートに遅れることが多い



そういう情報があって、余裕を持っていたけどさすがに40分待たされて電話したら、あと10分で付くって。試されているのか何なのか分からないけど、あまりいい気分じゃない。それを表情に出したら負けだと自然に振舞ったつもりだけど、隠しきれたかはちょっと不安…。



彼女が時間に遅れてしまった分、午前中だけだった予定を延長してくれたから余裕はできた。



美術館はそこそこ混んでいたし、ゆっくり見る暇はなかったけれど、彼女は作品についてのことと自分のことを重ねるように話してくれた。美術館から出ると入り口付近に人が並んでいて、彼女が首をかしげるようにして言う。



「もしかして、もしかして?」



そう言って、すこし足早に前に進んでいく彼女。列の先を見たら、最終日だから駆け込みで見る人が多く、入場制限がかかっていたようだ。それを見て彼女はこちらを見て微笑むように言う。



「凄い並んでるね。普通に見れて良かった」


「そうだね」


「混んでるからゆっくりは見れなかったけれど、遅くなくて助かったね」



それに頷いて、公園内を散歩する。彼女はカキ氷を買って自分はソフトクリームを頼んだ。ベンチじゃなくブランコに座り彼女が相談にのって欲しいと言う明日の仕事の話を聞いた。そのうち、彼女の用事の電話があって駅に戻ることになり、別れ際に彼女が自分のバッグの財布を探りながら言う。



「そういえば、チケット代…。」


「うん?」


「いくらだったの?」


「あ、いいよ」



先読みして2人分のチケットを買うことで、彼女を上手くエスコートできたように思えた。自分の話も展開できて、すこしは暗い印象を拭えた気がする。



ただ、今日のデートが2人の記念日になる可能性は期待できないだろうな。


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このページは、karinがJuly 21, 2008 12:00 AMに書いたブログ記事です。

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