彼女の歌声

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たまには静かに仕事がしたい。なんて、普段から静かだけど。そういう自問自答していたら、後ろに人の気配を感じて振り返る。すると会社の女の子が見ていて…、という話なんだけど、ここまでいつもの日記のコピペみたいだ。



彼女が手を遊ばせながら言う。



「あのさ、崖の上のポニョって知ってる?」



普段の彼女の趣向からは想像できない単語に、浮かんだイメージで合ってるか不安になる。でも、ポニョってあれしかないよな。



「うん、知ってるけど…」


「あれの歌があって、あれがずーっと頭の中でかかってるんだよね」


「歌なんてあるんだ。どんなのだっけ?」



そこで一呼吸おいてから口ずさむ彼女。



「ぽーにょぽーにょぽにょ…」


http://jp.youtube.com/watch?v=b-WBi4Nu2H0



まさか歌ってくれるとは思わなかった。彼女は声が綺麗なタイプだから聞き惚れていると、照れるように彼女が歌うことをやめて話し始める。



「…っていう歌なんだけど、知ってる?」


「いや、分かんない」




その話の流れで彼女の好きなジブリ作品ベスト3を聞いてみた。



「えっと、何だろう。風の谷のナウシカと…、あと紅の豚。…あ、トトロも良いよね。」



そういう話を聞きだしながら、何かキッカケを作ろうと考える。そして彼女に問いかける。



「じゃあポニョはさ、観に行くの?」


「うん、たぶんね。わたしは早く観たいし。」


「ああいう映画って男一人じゃ観に行けないんだよね…」


「じゃあ、一緒に行く?」



とか、そういう妄想をするだけで実際何も言えなかったけど。美術館に、花火大会に、映画館に、食事に…。とにかく夏のイベントに誘ってみたいんだけど女の子とデートしたことないし、どんな順序が良いのか検討もつかない。



それに、自分が理想とするデートって中学生レベルのままで止まっていて。そんな基本的なデートコースを年上の女の子が経験してないはずがない。そのことで互いの距離を感じて、自信を持って「行こうよ!」と誘えない。



毎日のように会社で会ってるし、わざわざ休日に会わなくても…なんて思う。


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このページは、karinがJuly 5, 2008 12:00 AMに書いたブログ記事です。

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