彼女が読む本

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会社の女の子が書店のカバーのついた本を持ってきて言う。



「奥付にはこういうのが書いてあるみたい」



著者名とか出版社名とか書かれてる見本が必要だったため、彼女がどこかから本を持ってきた。その本を指差して言う。



「そっか。じゃあ、必要なのはこれとこれと…」


「わたしは、そんなにいらないと思うけど」


「でも減らしたら情報なくなるよ?」


「そうだけどね」


「じゃあ、スペシャルサンクスもいれとく?」



すこしだけ笑ってから、「じゃあ…」と言ったあと何人かの名前をあげるノリの良い彼女。



「それで良いんじゃない?」



そう彼女に言うと、ウンと満足げに頷く。すこしの間をおいてから、仕事の雰囲気に戻して彼女に話しかける。



「冗談はおいといて、これとこれだけにする」


「そうだね」



と、手元の本をパラパラとめくる彼女。太字で書かれている見出しがすこし見えたので口に出して言ってみる。



「『状況に強くなるには』…」



すこし読み始めた途端、脊椎反射のように本を閉じる。すこし恥ずかしそうにする彼女。



「ところでそれ、何の本?」


「え、教えなーい」


「私物?」


「うん、電車とかで読んでるやつ」



話題に触れたくないのか席に戻るような素振りを見せる。さらに彼女に質問してみる。



「なんかさ、精神論みたいなの読んでる?」



首を振る彼女。手に持った本を隠すようにして答える。



「わたしはそういう本読まないし…」



そのあと、一人で長々と言い訳を始め



「…だから、精神論みたいな本って全然読まないよ」



その様子を何も言わないで、ウンウンと頷きながら見ていた。すると、少し怒ったような口調で彼女が言う。



「もう!なんで何も言わないで笑ってんの?信じてないでしょ?」



と、言われた。かわいいなー。


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このページは、karinがJune 28, 2008 12:00 AMに書いたブログ記事です。

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