探りをいれる

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「こういうことが続くと辞めたくなる」



朝から仕事に関してのトラブルが続いたことでイライラしていた。そこへ会社の女の子がやってきたので、反応を伺うように経緯を話してみた。冒頭のことを言われた彼女は、驚くような表情と悲しげな表情を同時に浮かべて



「そんなこと言わないで、もう半年くらい頑張ろうよ」



そう言った。彼女のために頑張りたい気持ちももちろんあるけど、自分にとっても貴重な時間を今のくだらない会社で浪費してしまうことには躊躇ってしまう。



そのあとで、話題を変えて仕事のバッドサンプルを彼女に見せて説明しながら、



「これくらいのレベルなら簡単だし、絶対にこれより良いものが作れるでしょ?」



そう彼女に伝えると、曇ったような表情をして悩み始める。



「自分ならこの仕事は、この人に発注をするけど」



と、彼女を指して言う。すると、照れたような笑みを浮かべ、そんなことないよと謙遜する。彼女にとって励みの言葉となったのか、テンションが上がったみたい。思い立ったように



「中華が食べたい」



と彼女が言い放ち、一緒にランチを食べる3回目の約束をした。




「全然仕事が来ないときがあってさ…」


「うん」


「あの人に媚び売ったこともあったなー」



と、独身男に対して行っていたことを教えてくれた。苦い過去を思い出すように。その顔は明るくは無かったけれど、やっぱり彼女は食べるときにとても幸せそうな表情をする。それを無言で見ていると



「なに?」



と顔をひねって、言葉を促すような態度をとる。かわいいなって思って、などと言えるはずもなく別の話題をするんだけど。お互いの評価や、周りに対して思うことなんかを話して共通点を探すような会話で盛り上がった。




“会話なんて共通点を探すためのもの”



結局、自分が言いたいことって相手は質問してくれない。『会話はキャッチボール』というよりお互いに好きなことを話して共通点を探すだけのような会話が多い。



2人で会社に戻ってすこししたあと彼女に声を掛けられる。



「今って忙しいですか?」


「ううん、そんなことないよ」



そうして、お互いの理解を深めるような話を1時間くらい続けた。「関係が親密になりつつある…」なんて少し考えたものの、そう思うのは自分だけで、もしかしたら彼女に上手く媚びられてるだけなのかもしれないとも思う。永遠に答えを知ることはないんだろうけど…。



しかし、何を基準にあと半年なんて言ったんだろうか。


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このページは、karinがJune 25, 2008 12:00 AMに書いたブログ記事です。

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