ランチと相談ごと

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デートの誘い方を失敗した件で極端に落ち込んでいて、午前中に彼女と会話もなかった。もう、声を掛けることすら自信をなくしていた。



ひと段落してから、お昼に行こうと周りに声を掛ける。すると、彼女がスッと立ち上がって通行を邪魔するような格好で目の前に立って言う。



「わたしも一緒にお昼行くー」



その彼女の一言に動揺したものの、ちょっぴり幸せ気分が戻ってきた。たぶん、彼女が考えていることは“デートするにはまだ早い段階”ってことで、もっとお互いを理解してからじゃないとデートできない。「焦りすぎ!」って感じたのかな…。



そして2人きりで会社を出て、彼女が何を食べようか聞いてくる。



「蕎麦と中華…、どっちが好き?」


「どっちでも良いけど、中華はあんまり良い店知らない」


「そっか、わたしの今の気分は辛い物が食べたいんだよね」


「うん?どうして?」


「いろいろ相談とかもあってさ」


「どんなこと?」


「あとで言う…」



そのあとも雑談をしながら中華屋さんに到着。彼女も初めてのお店だったらしく、ランチの値段を気にしてた。メニューを見ながら彼女が言う。



「何にしようかな」


「エビ好きなんじゃないの?」


「うん。でもね、この辛いナスのやつも食べたい。」


「エビチリとナスのとどっちが辛いのかな?」


「じゃあ店員さんに聞いて決めよう!」



で、注文するときに聞くと「エビチリの方が辛い」と言われ、彼女にこう言った。



「余計に迷っちゃったね」


「うん…。」



迷った挙句に、やっぱりエビチリに決める彼女。



「もう1回来てさ、辛いナスのやつ食べに来ないとね」



そう言うと、彼女もウンと頷く。そのあとも、会話をしながら食事を楽しむ。意外とあれ、いい感じじゃない?午前中に1人で落ち込んでいた気分は解消されてきた。彼女の表情を見ていると、すこし視線をずらしながらニコニコ笑顔で楽しそうにしてた。彼女は見ていて飽きない人だ。



「それでさ、さっきの大事な話って何なの?」


「あのね、見てもらいたいものがあるんだけど…」



そう彼女に言われて色んな妄想が浮かぶ。すこしの間、考えていると彼女から話しを続ける。



「わたしが仕事で作ったものを見て、相談にのって欲しくて」


「うん、良いよ」


「あとね、会社に対して色々言いたいことあるから、あとで一緒に考えてくれる?」


「どんなこと言う気なの?」


「不満のこととか、お金のことだよ。でも、わたしが言うと感情的になっちゃうからさ…」



そんな会話をして楽しいランチタイムもおしまい。



一緒の時間を過ごしたことで彼女のくせと言うか、1人で面白い想像を膨らませ1人で笑ったりするちょっと不思議なところに気付いた。そしてそのまま午後になり、夕暮れになり、彼女はまだ会社に対して言うことで悩んでいた。



「すごくイライラする…」



彼女はそう言う。周りからは彼女がそんなにも真剣に考えているように見えてなくて、愛想良くサービスしてくれる存在として扱われている。けれど、彼女と話していると根底にしっかりした彼女なりの考えがあることも知っていた。



「それで、どうするの?」



そう彼女に聞くと、また悩み始めた。たぶん、答えは彼女自身が持っていると感じて、それを引き出そうとした。彼女が言うには、



「今、一緒に仕事してるメンバーは今までないくらい良いから続けたい。けれど、自分が全く評価されてないから悔しい。それに、弱気になったまま辞めていくのは嫌だし…」



と、話してくれた。そのまま一緒に悩み続けたけど答えは出なかった。そして彼女はそのもやもやした気分を断ち切るように元気良く言う。



「もう、遊びに行こっか?」


「そだね、気分転換になるし」



そして、一緒に仕事してる3人で居酒屋に行くことになる。


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このページは、karinがJune 19, 2008 12:00 AMに書いたブログ記事です。

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