紫色の関係
“女性を誉めるときは、女性の持ち物を誉めると良い”
会社の女の子にプレゼントを渡す。脳内想定では彼女はまず値段を聞いてくる。
「これいくらくらいしたの?」
「いや、大したことないよ」
「でも悪いから…」
と財布を取り出しはじめる彼女。
「雑貨とかたくさん買い込んで2万円くらい使ったから、プレゼントの値段とかは全然覚えてない。」
困ったような表情をして考え込む彼女に対してこう言う。
「じゃあ、そのうち喫茶店とか行ってさコーヒー奢ってよ」
うん、大人大人…。なんて考えてたら、全く値段に触れる素振りもなかった。プレゼントの値段聞くのも失礼だと思うしね。とにかく、朝は他の女の子の夢に見てテンション下降気味だったのであまり会話も弾まなかった。
プレゼントを渡したあと彼女に聞かれる。
「紫色の服なんて珍しいね、どうしたの?」
彼女はわりと紫色の服を着ていることが多く、出来心でその色に合わせてみたかった。パーカーの色で紫を抑えてるにしろ、彼女の目にその紫は異質に見えたようだ。
「え、いや。合わせようかなって思って…」
「そう言うと思った」
と笑顔を見せる彼女。意識的に紫色に合わせた意味に気付いたらしい。
「これ着てみたけど、紫はあんまり似合わないんだよね」
「そう?たしかに、あんまりイメージにない色だけど…」
そこで彼女も紫色の服を着ていたので、彼女の服を指し。
「イメージ的に紫は似合ってるよね」
完璧。女性を誉めるときは、女性の持ち物を誉めると良いというセオリー。「ありがとう」と彼女は嬉しそうに笑った。そんな会話を交えたあと、今までよりも声の出し方が甘えた声っぽくなった気がする。可愛い声の出し方してた。
「わたしに強く言えば、どんなことでもやってくれるから…」
彼女がたまに言うセリフ。面倒な仕事を押し付けられて本人は負けず嫌いだからそんな仕事でもすると言うけれど、そうでも考えないとやってられないんだと思う。本当はもっと自分の仕事に集中したい、そう思っているはずなのに。
彼女は強引にせまられると弱いタイプで、強く言えばどんなことでもやらせてくれる…。とか、そんな妄想をだね。
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