青い考えとリングメモ
「泣いてたよね?」
と会社の女の子に聞かれた。
世界は簡単に動かせる。世界は変えられる。会社だって変えられるはずだし、人だって変えられる。そう思っていた。自分には自信があったし、必ず良い方向に導けると確信していた。だけど現実は会社の環境すら思うように変えるようなことは出来なかったし、何より目の前の1人すら救えてないことに自分の甘さ。頼りなさ。結局何も出来ない自分に苛立った。知ったような発言ばかりしていた自分も大嫌いになる。救える立場にいながら結局自分も周りの口だけ優しい人間と同じ存在に思えた。自分には何も出来ない。
何かがおかしいと感じた。そして、悔しい気持ちでいっぱいになった。そういう気持ちを伝えた。すこし落ち着いてと軽くなだめられ、時間をおいて冷静になった頃に再び彼女がきた。
「あのね、お願いしたいことがあるんだけど…」
「うん?」
と冷静に聞いてみると、「メモ帳が欲しい。しかもポケットサイズで可愛い感じ。センスは任せる。」なんてよく分からない依頼。頭にたくさんハテナマークが浮かんだ。そこで彼女に聞きなおす。
「何に使う用?」
「あとで分かるよ」
「それじゃ、どう選んだら良いかわかんないよ」
「だから、センスはお任せするから、ね?」
「うん」
「あと、上にリングの付いてる奴が良い」
「じゃあ今度探しておくね」なんて返事をする。全くどういう展開になるのか想像が付かないので、今後が気になる話題ではあるけど、話は最初に戻る。
「泣いてたよね?」
依頼のあと、そう彼女に聞かれた。さすがに目の前で泣くわけないだろうと甘く思っていた。だけど、上手く伝えきれなくてすこし泣いたのかもしれない。そういう部分は曖昧にしておきたいので、
「…いや、まさか」
とツンデレぶりを発揮。「ふーん」とすこし不敵な笑みを残す彼女。さらに続けてくる。
「なんで、わたしなんかにそんなに優しいの?」
「だってほら、立場が可哀相だから」
「うん」
「もっと良くすることが出来ると思うんだけど…」
「でも、今までのわたしの周りの人は、わたしが大変なときでも放っておいてたし、皆と同じようにそうすれば良いじゃん?その方が楽だし。」
「それもおかしい。普通はもっと助け合っていくじゃん」
「うーん…。」
と考えている様子の彼女。さらに付けくわえる。
「そんなこと言う人今までいなかったよ、みんな自分のことばっかり考えてた」
不遇。どうして誰も彼女に優しくしなかったのか。わりと彼女自身、もう周りに責められすぎて周囲に対して謙遜している。「自分は頼りない、情けない。自分は何も出来ない。」と思い込んでいる。全然そう思えないのに、常に弱気になっている印象だった。すこし自分が手を差し出せば彼女を助けられる。そう思っていたが、問題はそんなに単純ではなかった。それが悔しかった。けれど、気持ちを素直に伝えるのは気恥ずかしい気もあり違うことを言ってしまう。
「そっちで仕事が回らなければ、結局こっちに来るしね」
あ、やっぱりと言う彼女。一言付け加えなきゃカッコ良かったのにな。惜しいことした。
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