付き合ってもいいよ

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「あんまり言われないことだからドキドキする…」



業務時間終了後の営業会議中に忘れ去られたように自分と会社の女の子の2人だけ置き去りにされ、また彼女の相談にのる。今日も集中的な雑用に悩まされ、怒られたことで午前中はイライラしていたと言っていた。普段は彼女と仲の良さそうな営業の人も、いざとなれば保身に走って責任を彼女に押し付けていた。彼女にそのことを伝える。



「あれは、ありえないと思う。普通は自分にも責任があることを伝えるべきなのに、全部こっちに押し付けていて、ちょっと話し聞いてましたけどありえないですね…」


「うん、それで後から彼の上司からも怒られたよ…」


「やっぱり、可哀相な立場にいると思います。」



可哀相、まさにそれで普通に泣いてもおかしくない。そんな気持ちを込めながら伝えると、彼女は今まで周りからダメ扱いされていたからか、つぶやくように言う。



「あんまり言われないことだからドキドキする…」



よく頑張ったねと撫でたい気持ちを我慢しながら彼女の様子を見ていた。するとまた彼女が口を開く。



「そんなにわたしの心配してくれる人、始めてだよ」



そう彼女は言って、手でこっちを叩くような仕草をする。と、ここまでが現実。妄想でこの後の2人を保管してみる。まずは彼女からつぶやくところに戻る。



「あんまり言われないことだから、ドキドキする…」


「それって恋愛感情ってこと?」


「うーん…」



何故か考えるような仕草をとる彼女。間に困って軽い冗談を言ってみる。



「じゃあ、付き合ってみる?なんて、全然そういう話じゃないよね」


「べつにいいよ」



彼女があまりにあっさりと言うので、もう一度聞き返してみる。



「うん?」


「だから、付き合ってもいいよ。」



よし、これでいこう。


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このページは、karinがApril 7, 2008 12:00 AMに書いたブログ記事です。

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