女同士の不思議な関係
「わたしはわりと素直に感情表現しちゃうタイプだからさ…」
「じゃあ、わりとオープンなんだ?」
「そうそう。」
「だからみんなに頼まれごととか、雑用とか任されてるのかな。」
彼女は周りに良いように使われている。というか、面倒なことは全部押し付けられてるといった環境でそれを解決してあげようと色々話していた。彼女は真面目というか、責任感が強いというか、負けず嫌いなところも上手く利用されて、多くの面倒を押し付けられて処理しきれなくなった結果、失敗して怒られているなんて最悪な状況におかれている。なので、上手く面倒回避できるような策を考えていた。
「自分の場合なんかは嫌いな人には嫌いって態度してるっぽいです」
「あー、そんな感じだね。ていうか、わたしのイメージでは最初暗いなって思ったけど、今は全然そんなことなかったよ…」
もの凄い勢いで暗いことが見抜かれる。彼女の言葉に怯んでいても仕方ないのでカバーする。
「最初はそんな暗いキャラのつもり無かったんだけど…、だんだん弱点バレてきた?」
「うん、分かってきたよ」
と彼女が嬉しそうに言う。そして目を反らし独りごとのように呟く。
「でも、雑用とか頼まれない分、わたしもその方が良いのかな…」
彼女も自分の立ち位置というのを、客観的に見れてきたようだった。そこでもう少し提案をしてみる。
「だから嫌いな人には嫌いって態度でも問題ないし、合わないなら合わないで良いと思うし…」
と、ある人に対して話題を出してみた。トラブルメイカーなその女性と自分は絶対に雰囲気が合わない。仕事以外で関わることはないと、そんなことを言うと彼女も「うーん…」と少し考え込む。
「わたしもね、自分とは合わない人だと思う。あんまり好きじゃないんだけど、いちおう女の子だからさ…」
なんて、すこしため息交じりで言う。それがとても可愛く見えた。「女の子だから…」の部分が意味深な感じで凄く良い。
以前、別の女性から似たようなことを言われた記憶がある。やはり、女同士の特有の現象で、表面上は仲良くしようねという関係。で、裏ではあれこれ悪口言い合う感じ。
彼女がそんな弱点、というか「嫌い」に近い印象を持っていることを伝えるのは、ある程度の信頼がなければ話せない。単純に男だから話せるとも考えられるけど、今までの経験上だと「どちらかと言えば好き」の感情で見られていることが嬉しい。何にしても、「女の子だから…」の部分が耳馴染みよく可愛らしかった。
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