お揃いボーダー

| | コメント(0) | トラックバック(0)



「犬は飼い主に似る」という言葉がある。そして、街中で見るカップルもどことなく雰囲気だったり、顔のつくりも、格好もどことなく似てる。そんな気がする。




「2人の服ってそれ、揃えてるんでしょ?」


「え、そんなことないですよー」


「ていうか、この2人仲良いよね。この前ニックネームで呼んだりしてたよ。」



だいぶ以前のだけど、お酒の席での会話。一緒の仕事を始めたくらいのことで、彼女は勝手にニックネームを付けて呼んでいた。そのことを指摘されて、すこし恥ずかしがる彼女。お酒の席のためか、下ネタ大好きな若めの契約社員に絡まれる。



「服の色とか、前もって何着ていくか2人で相談したんでしょ?」


「別にそんなことはないんですけど、ねー?」



目線を送る彼女に返事をした。さらに勢い付く契約社員。



「ていうか、もう2人って…。ヤっちゃったんでしょ?」



なんてことを…。結局その場は彼女が上手く誤魔化したけど。それ以来、何故かニックネームで呼ばれなくなった。恥ずかしかったのかな。



そのあとに彼女はシューズを変えた。それが自分のと同じメーカー、デザインの色違い。誰でも履いてるくらいだから、特に気にかけなかった。



その数週間後、自分のシューズも変えようと探しに行ったが良いものが見つけられず、色だけを変えることにした。モノクロが好きで決めたけど、偶然にも彼女のバッグも似たモノクロのトーンだった。彼女のバッグはありふれているデザインというわけでもない。全く意識してなかっただけに、不思議だった。



それから彼女と一緒にいると、似たような仕草や、癖なんかもどこか意識的なように真似を始める。彼女がこっちの仕草を真似して、自分も彼女の仕草を真似するように。



そんなことがあって先日、彼女が気に入ってる印象のあるボーダーの服を見つけたので即購入。それを着て行くのに抵抗はあったが、もう自暴自棄。目立つけどインナーに消極的に着て彼女と会う。だが、そんな想いも虚しく彼女はその服装に関しても何も触れなかった。物悲しい気持ちになる。



その次の日、つまり今日ということになるのだが、彼女はそのお気に入りのボーダーの服をインナーに着てきた。彼女の服装を意識してなかったし、最初は気付かなかったけど「そう言えば…」とよくよく見ると全く同じ配色、同じライン幅のボーダー…。お互いに無意識に意識してるのか、あるいはどちらかが偶然を装っているのか。不思議と似てきている。



「あれ、今日の服装なんか似てない?」



なんて会話があるといいな…。それで、2人仲良しだねなんて周りにからかわれて。それだけで一週間は幸せな気持ちに浸れるのに。あー、何も言えない。




「キミは恋人って言うより…、弟ってタイプかな?」



以前、彼女はそんなことを言っていた。ことあるごとに関心を向け、孤立しそうな女の子と自分の間でやりとりをしたときにも、確認のために2人の間に立って行き来していた。それで心配そうに、2人の仲を取り持ってくれる。たぶん、誰かと誰かが喧嘩したときにでも彼女は間に立って、どっちも慰めたり、仲良くさせようといろいろ考えるタイプな気がする。



恋人って言うより…保護者??


トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: お揃いボーダー

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://bearhack.s21.xrea.com/x/mt/mt-tb.cgi/901

コメントする

このブログ記事について

このページは、karinがFebruary 17, 2006 12:00 AMに書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「日常の記憶力」です。

次のブログ記事は「会話の仕方」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 4.01