別れの耐性
初めの頃に人の出入りが激しい職場だからと誰かに言われた。メインチームが別会社に移行するために、部署の人数が半減する。結局、以前すこしだけ触れた孤立しそうな女の子も新会社に同行することになった。すごくさみしい。そんなに話したことないけど。
そんなこと考えてると、1つ上くらいの経理の女の子が来た。
「わたし、今日で退社することになったのでお世話になりました…。」
ショック…。1コール以内で電話取って、よく内線回してくれてた子なんだけど、
「経理として入ったけど、実際は入力ばっかりだったよ」
と愚痴を言ってた。それで、現在いる人と契約の人が集まってきて話してると、あんまり必要ないから切られた?というような曖昧な感じみたい。かわいそうなことするなよ。これで、また1人減ってすごくさみしい。そんなに話したことないけど。
4日前にして2個も失ってしまった貴重なバレンタインデーチョコ…。
ではなくて…、別れに対して死にたくなるくらい耐性がない。いろいろ考えてしまって仕事する気力もダウン。もっと仲良くしておけば良かったのかな、それともどこまでも他人のフリをしてショックを受けない状況にするか。
だけど誰かと、もっとつながりたい。ずっと一緒にいたい。
帰宅
ということを考えてながら、駅まで歩いていた。彼女とかできればいいなって。すると声を掛けられた。
「あれ、もう帰るの?」
びっくりして見ると、いつもの仲良しの女の子だった。いつもの白と紫のストライプのマフラーを巻いて、手にはドトールの紙ぶくろを抱いている。
「あ、うん…。」
「そっか。おつかれさま。」
そのまま帰るとどこか寂しい気持ちを引きずってしまいそうだから、そのまま彼女と話そうと思った。
「何してきたの?コーヒー買ってきたの?」
「あのね、新会社の見学に。」
「そうなんだ。部屋とか広かった?」
「うーん…。うん、うちとかより全然広くて良かったよ。」
「えー、いいなぁ。」
そんな他愛ない会話をして、女の子2人はどこかへ行ってしまうけど彼女だけは戻ってきた。そんな不思議な安心感を感じて、彼女はさみしさを埋められる要素まで持っていて…。でも、6月。6月には彼女は一時的にではあるけど、目の前から居なくなってしまう。
「ボーっとして歩いてたね?」
「…うん。」
彼女に対して言えること、すこしだけ背伸びをしたような彼女を見て考えていたけど、言葉以上に伝えたいこともたくさんあって、何も出てこなかった。
「それじゃ、おつかれ」
「うん、おつかれさまでした」
彼女は猫なで声で話していた。可愛らしく話す。ぎゅって抱きしめたら、にゃーって鳴くかな…。猫なで声で話す相手には2種類ある。
「1つは電話に出る相手と、もうひとつは本当に好きな相手にだけだ」
それとも、本当に好きだったら素に近い状況で話す、話せるのかな。砕けた言葉遣いで男っぽく話すのかな。猫なで声を使う女の子はずるいな。
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