愚痴る
上司が仕事で昼前に出掛けてしまい、会社の女の子と残された。
特に意識した訳ではないけど彼女との会話がすすみ、
彼女の仕事を指差して誉め殺していく。
「これなんか良いと思うよ」
「それは、わたしが前に作ったのを少し変えただけなんだ」
「そう?でも良く出来てるよ」
「ちょっと待って…」
そう言って、席にパタパタと走って行く。
資料を持って戻ってきた彼女はそれを見せて言う。
「でも、わたし今回のはあんまり出来てないと思う」
「どうして?」
そう聞くと俯いて首を振るような仕草を見せる彼女。
小さくため息をついてから言う。
「嫌な仕事が重なって、集中できなくて…」
そう言って彼女はこれまでの不満を語りはじめた。
納得がいかなかったこと、信頼する上司の嫌いなところ…。
一通り聞き終え、お昼に行く素振りをすると制止させるように
「あ、外行くんでしょ?一緒に行こっ!」
そう言われて外に出て、同じように愚痴を言いあった。
それから自分は定食屋に、それから彼女はコンビニに向かった…。
ランチに誘ってみればよかったのに、もう彼女を誘う勇気もない。
その女の子は一緒にいてドキドキすることは少ないけれど、
自分の考えているカノジョという存在には近いと思う。
けれど、それだけじゃ恋愛は成立しない。
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