労基署に行こう！

大雨が降ってる中、労働基準監督署に文字通り駆け込んでみた。前職での未払い分の給料を考えるたびに鬱著しく、直接請求してみたが振り込む気配がなかったので、話題作りを兼ねて相談しに行ってみた。

労基署は仕事をしないイメージだったが実際は相談している方々が声を荒々しくさせて話し合ってる様子だった。そんな怒号が飛び交う中で場違い感を覚えつつ、順番待ちをしていたら担当の人に呼ばれた。

「こっちはちょっと混雑してるんで、向こうに行きましょうか」

そう促され反対側の静かな席についた。担当は女性で『労働基準法』と明朝体で大きく書かれた分厚い辞書のようなものを持ってきた。挨拶を済ませ、「賃金の未払いの件なのですが…」と切り出す。その女性は研修生みたいな雰囲気で頼りなさそうだったが、こちらも証拠物も全て持参しながら説明したらスムーズに内容を理解してくれた。

「それじゃあ、証拠のコピー取らせてもらいますね」

コピーしている間、指定用紙に記入をおこなっていた。数分後コピーを終えて戻ってくる彼女。ひと息ついてから言う。

「あれ、これコピー間違えた」

Ａ４縦を横でコピーしてしまったらしい。よくあるよね、なんて苦笑いをしつつ再びコピー機に向かう。その後、無事コピーが済んだようなので、指定された用紙に目を通してもらう。そこで再び彼女が首をかしげる。

「うん？」

そう言う彼女に目を向けると、

「わたし、ボールペンじゃなくシャープペン渡しましたっけ？」

どこか天然らしい。そんな彼女は肩を撫で下ろし「ま、いいか」と言ったのを見て、ふと気付いた。雰囲気やキャラや話し方が、のだめっぽい。そして本人も少し意識してる？そんな探りを入れつつ、相談を続けていたら仕事に関しては凄かった。証拠さえあれば残業代も貰ってきてくれそうな勢い。

「えっと業務時間は９時半から５時半ですね？」

なんて聞かれて同意したけど。まさか、９時１０時までは当然で実際はもっと過酷なんて言えない。１人フレックス導入していて、遅刻しても特に支障なきゃ問題ないなんて言えない。ちなみに過去２年分の残業代は請求できるらしい。

会社自体、倒産確定と考えていたけどまだ残ってるみたい。倒産の場合は８割支給に減額されるらしいのだけど、よくよく考えてみれば倒産前に辞めてるのだから無関係のはず。

２ヶ月ぶんキッチリ請求してやんよ！

なんて意気込んでいたら、のだめ似の女性が

「あれ？１５日が給料の締め日なら、辞めた月の給料も半分払われてないですよね？」

だって。思ったより仕事できるみたい。