半落ち

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「はい、プレゼント。」


「え、なになに?何で?」



彼女に奇襲気味にプレゼントを渡す。ほんとは帰り際に渡したかったのだけど、前日に定時であがったりしていたので渡せない状況だけは避けようと。たぶん昨日は身内で誕生パーティとか…、やっぱり婚約してるカレシと一緒に前祝いをしながら「わたしのこと世界で一番に祝ってくれたね」なんて甘えた声だして、抱きついちゃったりして…。あー萌え氏ぬー。…もとい、悶え氏ぬー。



何にしてもプレゼントを渡した。彼女は誕生日アピールをほとんどしてないし、周りでも気付いてる人はほとんどいない。周りに気を遣わせたりするのを怖がってるのか、他人に言われるのが嫌なのか、結婚式を知ってる人も少ない。周りに気付かれないように彼女の秘密にしておきたい気持ちを察して周りには内緒っぽく渡す。彼女の反応も「なになに~?」なんていつもの茶目っ気たっぷりの笑顔でこっちを見つめる。



「何だろう?開けていい?」



そう言ってすでに袋を開け始めてる彼女にウンと頷く。そこでプレゼントと同封したバースデーカードですよ。何も言わなくても、周りに気付かれない秘密のメッセージ。これはドキドキしちゃうね。ドキドキしたと思う。むしろ、ドキドキした。



「これも、ここで開けていい?」


「うん、別にいいよ。」



でも、彼女はどんなメッセージであってもその場で反応を返さないといけないだろうなということを考えてか、そこでバースデーカードじゃなくプレゼントの方も確認する。だって、わりと小さめの箱だし高価なものだったらお返ししなきゃいけない。さらにメッセージが「ずっと好きでした」とか書かれてたらどうしようもない。何にしてもプレゼントの箱がブランドものじゃないことは確認してたと思う。



こっちも彼女宛てのメッセージを目の前で読まれるのは恥ずかしいので退避。さて、彼女はどうするのか…。



数分後、彼女が席までやってきて言う。



「どうも、ありがとうございました…とても可愛らしいものを頂いて。」



なんてことを頭を下げながら丁寧に感謝の意を述べる彼女。ちょっと周りの注目を浴びてしまう。ウンウン、なんて彼女に軽く返事をして終わり。



やたら話をもったいぶって、いつも最後は「なんだ、大したことないね」なんて普段は言われるけど、たぶんこの話しに重大でいちばん興味のあるプレゼントの内容とメッセージの内容は書きません。書かないよ。ほんと大したことないから…。いや、ちょっと待って。ブラウザ閉じないで。言うから。ちゃんと最後まで読んでね。…なんてことを保険として書いたあとに言うと。



デザイナーが選んだデザインセンスの良い150円くらいのバースデーカードと500円くらいの可愛らしい雑貨。これなら、相手も貰っても気を遣わないだろうし。ほんと、頭下げてまで感謝されるのが申し訳なくなるくらい。でも、それが彼女の人間性の良さ…というか。



メッセージは幸せになってね、みたいなことと少し自分のことを添えてお終い。それは彼女への気持ちを忘れさせるためで、プレゼントを『贈る』ことで彼女を『送る』わけだね。これ。彼女の幸せを祝って今度は自分の幸せをつかみに行かないと。もうこんな一方的な失恋経験したくないな…。


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このページは、karinがMarch 23, 2006 12:00 AMに書いたブログ記事です。

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