におい
会社の女の子が席に来て仕事の説明をはじめた。
けれど、彼女から発せられる匂いが気になって言う。
「なんか、すごく煙草の匂いがするけど…」
「あ、わたしさっきまで吸ってたからね」
彼女と信頼する上司であるパパが2人っきりで
休憩しながら談笑する光景を想像し、すこし憂鬱になる。
「でもガム食べてるのに匂いキツくない?」
「そんなに匂いするかな…」
「服に匂いが移ってるとか」
そう言うと、彼女は腕を自分の鼻にあて確認する。
さらに上着の衿を両手で持ち上げ、
服に潜り込むような仕草で内側も嗅いでいた。
その姿が妙にセクシーに見えてしまう。
「そんなに匂わなかったよ」
彼女はそう言って、今度は横に座って説明をはじめた。
すると、ほのかに香水の甘い香りがした。
普段の彼女は香水をつけないと思っていたのに、
控えめではあるけど香りを纏っていたことが新鮮だった。
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